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20170329:AI ⑧ひらめく AI ? [素人 AI 考]

 最近、我が国発の画期的ながん治療効果を示す "免疫治療法" が世界的に注目され、その薬剤価格も含めて話題となっています。

 薬価がとてつもなく高価で、普及が進めば我が国の様な国民皆等しく受けられる医療保険制度は維持出来なくなりパンクする、そうで無い国では、超がつく金持ちしか治療を受けられないとも伝えられています。

 新聞や素人向け医療雑誌等の解説絵柄を観ても素人なので正直解ったとは言えませんが、"従来に無い考え方から生まれた" 療法である事は解りました。

 最初に考えられた本庶佑(ほんじょ たすく)名誉教授(京都大学)は、ノーベル生理学・医学賞受賞間近とも伝えられている様です(既に2013年文化勲章受章)。

 この方の談話記事を読むと、当初は学会からも無視されていた様で、それだけ "前例の無い新しい考え方" だったのだと想われます。
 学会とは、国内外を問わずに極度に間違いを恐れますから、当然と言えば当然かも知れませんが・・・

 そこで自分は、"こういう常識に囚われない、過去に前例の無い考え方が 人工知能(AI) で発想出来るだろうか" と言う疑問を持ちました。

 今の AI は過去の膨大なファクト・データーベース(DB)を整理した上で最適解を見出す、いわば "物量作戦" に則った成果物と言う訳で、端的に言えば、本庶名誉教授のご研究歴を全てDB化すれば、同じ免疫治療法を考えつくのか・・・と言う疑問です。

 要するに "AI はひらめくのか?"
 優れたひらめきを持つ人は極々限られているのでしょうが、"ひらめく AI" の実現可能性は?
 2050年には AI がノーベル賞受賞を予測される専門家の方もおられるようですが、果たして・・・

 ところが、"果敢にも" 富士通社が理化学研究所と共同で "ひらめく AI の開発" に、5年間、20億円かけて乗り出すそうです(日本経済新聞紙:2017年3月4日付け)。
 頻度の少ないデーターを補って学習させる方法とか、過去に無い状況下での行動の影響を類推する手法を開発するそうです。

 でも、これって、単なる "内挿法" 、"僅かの外挿法" の延長じゃないのかな?
 本庶先生のひらめきは、過去のご自身の経験・学習に裏付けられてはいるのだろうけど、"ものすごく大きな飛躍を伴った外挿"、つまり、それこそ "ひらめき" だったのでは?

 全くの素人考えに過ぎません。
 富士通と理研の担当者の方々には、物量作戦で先行する米国陣を見事に抜いて成功して欲しいと願う者であります。

付記:内挿と外挿
 誤解を恐れずに超簡単に示しますと、

  -A1-A2-A3-A*-A5-B*-A7-C*- ・・・・・・・・・・・・ -D*

 上の図で、A1~A7の並び方を観てA*やB*を推定する(A*=A4、B*=A6)のが内挿、C*を推定する(C*=A7)のが外挿です。

 図から遠く離れたD*を推定する事は、ヒントが無い限りとても難しく、考えに大きな飛躍が必要です。
 このヒントが、(不完全であろうが)過去のファクトDBから類推出来るのであれば良いのですが・・・


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