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20170926:量子コンピュータ [電脳サイエンス考]

 量子コンピュータが実戦で活躍する時代になってきたようです。

 自分は、現役の頃は業務の傍らで、また趣味でコンピュータとの付き合いは長いのですが、既往のコンピュータとは全く異なる原理で演算する量子コンピュータが実用化されるとはっ!

 これ迄のコンピュータの主体はいわゆるノイマン型数値処理をベースとしているが、量子コンピュータは素粒子、特に光子や電子の量子性(:"同時" に複数の状態を取り得る)を作動原理としていて、日本人学者の提案が基礎になっているらしい事は素直に嬉しいものの、正直、具体的にどういうアルゴリズムなのか、自分は理解出来ていない(新聞・雑誌等の説明図は余りに杜撰で、とても解説図とは言えない。つまり、記者も理解出来ていないのだと想います)。

 量子コンピューティングは、その原理からして超々大量データーの超高速同時処理が可能で、GPSデーターを利用した自動車渋滞解消(国内ではデンソーがトライ、海外ではVW社が北京で実験・検証済み)とか、既存化学品データーベースを駆使して新たな機能性材料の設計(タイヤ合成ゴムを意識した新材料開発に向けてはJSR社が計画)とかが始まろうとしている様です(日経紙:2017年9月15日付け朝刊第一面トップ記事)。

 ただ、どんなコンピュータを利用するとしても、その結果の質は "計算モデルの質" に極めて強く依存するので、海外製のソフトウェアをそのまま使うだけで世界に先駆けて新システムや新素材を設計・開発する事は難しい。
 現象の本質を深く理解してこそ、質の高い計算モデルを建てる事が出来る筈なので、使用者の能力が問われる事はこれ迄のコンピューター利用と何ら変わらないと想います (*)。
  (*):こんな "タメ口" をブログしています(実はブログ・デビュー記事です):
      ”20161205:"国内最速スパコン稼働へ" の記事を読んで・・・”

 我が国コンピュータ利用技術者の奮戦を期待しております。


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