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20180918:”人生相談” コラムを読んでみて・・・(”AI に仕事を奪われる”) [素人 AI 考]

 読者が新聞に “悩み” を投書して識者から回答とか示唆を得る・・・所謂 “人生相談” の囲み記事を読むと、”上手な回答” だなぁと感心する事が多い。
 が、最近、”これは変だ” ・・・ と想った回答例に出会った。

 日経紙土曜特版の “なやみのとびら”(2018年9月8日付け)の事だ。
 相談された方は、30代の男性(@東京都)で、
  - 今の仕事は単調な事務
  - そつなくこなす事のみ求められていて、創意工夫は入り込む余地がない
  - でもって、近未来には AI に取って代わられ失職するのではないか

との悩みのご相談でした。

 この悩みの回答者は、中園ミホ氏で、肩書きは脚本家。 執筆されたTVドラマがいくつか紹介されていたが、自分は観た事が無いのでどの様なお方なのかは全く不明・・・なので、先入観無しにそのお答えを読んだ。

 回答の内容は、ざっくり言ってしまえば、難問なので “題意をすり替え”
  - AI が未だに持っていない物は “価値観” と言われている。
  - 例:愛、感動、出会い、死等をどう考えるのか
  - AI が仕事を代り、空いた時間を “人間にしか出来ない感動” を考えよ

というもの。

 はて、AI が価値観を持っていないと誰が言ったのか自分は知らないが、人間は誰でもがしっかりとした価値観を持っているとは想えないから、このお答えには “感心しない”。
 今や、AI がシナリオ制作した映画・ドラマを始め、楽曲や絵画等に人間様が感動する時代なんだし・・・人間様だけの業じゃぁ無いって事だ。

 それに、”感動を考えろ” って、失職したらそんな余裕を持てる訳無く、極く極く普通の市民の AI に対する感情を全く理解されていない、そういう心配を持つ必要の無いお方のノーテンキな回答と想いました。

 海外では “AI による失職” はもっと真剣に考えられていて、人間に代わる AI 搭載ロボットには “税金” をかける事をビル・ゲイツ氏(マイクロソフト社創設者のお一人)は提案している位、身近な、かつ具体的な社会問題となっている(コスト負担をかけさせ、安易な AI ロボットへの切替に歯止めをかける意も一部込められている。更に行政側が調達した税は新しい業態に見合う再教育等への投資原資とする等)。

 膨大なデーターベースを網羅的に記憶している事が望まれるお役所とか法律事務所等々の書類作成等の事務作業は勿論の事、症状・画像解析から病名判断等経験を活かすお仕事等は AI の方が超お得意だ。

 新たな技術が生まれたり革新されて産業に活かされると、新たな仕事が生まれる一方、遅かれ速かれ衰退若しくは消滅の路を辿る業種があるのがこれ迄の通例だ。
 
 AI 技術の浸透は避けられず、淘汰されて行かざるを得ない作業が当然見込まれ、仕事にあぶれる人間が必ず現れる。
 いくら革新を先延ばして非効率に仕事をシェアし続ける日本でも避けることは出来ず、間違いなくそういう時代がやってくる。
 愛とか死とかを考える事で解決される社会問題とは想えない
 最早現役を引いた自分には関係ないが、今の我が国で真剣に考えている方がおられる事を切に望む次第であります。

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