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20181029:下村脩(おさむ)氏逝く(2008年ノーベル化学賞受賞) [故人を悼む]

19日に逝去。 享年90歳。

 紫外線照射で緑色に光るタンパク質をクラゲから発見。 医学・医療を始め、バイオ技術発展の基礎を築かれた事が高く評価されて受賞。

 恥ずかしながら、この時まで全く存じ上げないお名前でした。 この年はノーベル物理学賞にも日本人研究者が受賞して話題となった、もう10年前の事です。

 下村氏は、孤高・寡黙、努力を惜しまずに研究に没頭されるお方と、どの新聞記事にも書かれている。

 現在の長崎大学を卒業後に名古屋大学を経て1960年に米国へ移り、プリンストン大学⇒ウッズホール海洋生物研究所で生物の発光機構を研究されていた。 退官後も米国に留まり、ご自宅に研究室を設けて、奥様とご一緒に研究を地道に続けておられた様です(以上の履歴:各紙+日経紙連載 “私の履歴書”(2010年7月)を参照)。

 こう言う “基礎の基礎” に取り組んだ研究者の功績を “見逃さなかった” ノーベル賞選考委員って、本当に敬服に値するとしか言い様がない。
 そう言えば、タンパク質の質量分析手法の基礎を立ち上げた田中耕一博士@島津製作所のご研究成果も見逃される事なく2002年化学賞を受賞されている。

 若手研究者には 「成功の秘訣は “努力”・”頑張り”」 とも。
 でも “研究テーマそのもの” と “時の運” も身方してくれなきゃ・・・なんて言い訳は “努力が足りない” 証拠なんですね(現役の頃、心得ていれば・・・?)。

 全く存じ上げないお方でしたが、研究者として尊敬せずにはいられない。
 そんな気持ちです。
 ご冥福の程を。
 心より黙礼。


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