SSブログ

20181121:何故に ”品質検査不正” がなくならないのか(持論) [ただの私見]

 “物づくり” でしか生き残れないとも言われ続けてきた日本で、止まらない製造業の出荷検定の誤魔化し。 そのリストが日経紙2018年11月11日付け囲み記事(”きょうのことば”)で掲載されている。
 ここ一年限りのものだが、
  2017年:
   9月:日産自動車、 10月:神戸製鋼所
   11月:三菱マテリアル系グループ会社(複数)
  2018年:
   3月:スバル、 7月:日産自動車
   8月:スズキ・マツダ・ヤマハ発動機、 10月:KYB(←例の免震ダンパー)
   11月:日立化成

 何と自動車製造業でやらかしていないのはトヨタ・ホンダ・ダイハツ・いすゞだけなのか?
 みな現役時代に訪ねた事がある企業だが、想い起こせば何となく “納得感” あるから不思議と言えば不思議。 “カイゼン”・”見える化” 等々、伝説になろうかと想える程に熱心な職場だったっけ。

 何故 “不正検査が常態化” したのかか、問題発覚各社の “第三者委員会” の結論は
  ① 検査設備の老朽化
  ② 人手不足
  ③ 企業風土(納期至上主義)
等が原因としている様だ。

 うぅ~ん、ちょっと “異論” あります。
 じゃぁ、①と②を解決すれば不正検査は無くなると言えるのか。
 ③は、”日航” の場合の様に、厳しい経営哲学を持ったカリスマ的人物が指導して経営陣の入れ替わりがない限り変える事は実質不可能だ(それでもつい最近は “ヨッパライ副機長” がいたっけ)。
 記事に掲載された不正検査企業でその様な人事が実現されれば良いのだが・・・

 第三者委員会は弁護士の様な頭の切れる優秀な所謂エリートと呼ばれる方々から構成されているんだろうが、製造現場や検査現場で作業されたご経験は皆無だろうて・・・でもって、そこの現場というものがどんなもんか、肌でお感じになる事はないだろう。

 検査業務はその重要性にも関わらず、製造業においては “裏方扱い” されるのが今では一般的だ。 製造部門の方が圧倒的に権限が強く、”検査風情(ふぜい)が何を言う” との感覚が蔓延しているのではなかろうか。

 つまりは、
  企業は儲けなければならない ⇒
   何が何でも売り上げ↑↑ ⇒
    検査部門が “このロットは規格未達” と言っても
     ⇒ 製造現場は、俺たち以外は “解りゃしめぇ”
        ⇒ でもって “出荷しちゃえ”

の流れで、日本企業の出荷検定不正は “ボトム・アップ型” なのだ(と想います)。

 と言う訳で、企業の経営陣に検査部門だけを管轄する役員を設け、製造部門と同等以上の権限を与えない限り不正は無くならない・・・筈です。
 また “IOT”(Internet Of Things:あらゆるモノのネット化)が進む今後、検定値や分析値等は自動的に保存され、永久に消去・削除されないシステムでなけりゃぁ・・・

想い出します:
 半世紀前に素材企業に入社した自分は、製造現場へ通算2年間ほど “新人研修” で送り込まれ、粗原料受け入れから出荷検定迄の全工程の中身をつぶさに教わった。 これが後々の研究開発部門での業務にどれ程役に立ったか、計り知れない。
 素材メーカーだけに当時の工場は格が上の取締役がトップ。 まだまだ日本では真っ正直さがまかり通る時代で、検査部門のお墨付きが無ければ一切出荷しないのが工場長の方針だった。
 自分の勤めた企業だけでは無く、どこもそうだった時代だったのでしょう・・・変わっちまったのかなぁ・・・今は (>_<)
・・・寂しくも有り、薄ら寒い感じです。 

ついでに:
 “品質検査不正” が間違っても今年の流行語になりませんように・・・

共通テーマ:日記・雑感