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20190317:何処に税金を注ぎ込むのか(”加速器”@科学技術研究予算) [ただの私見]

 岩手県が候補地の一つとして喧伝されている “国際リニア・コライダー” (ILC)の建設構想について文科省は7日に “誘致表明を先送り” した(3月3日付け各紙)。 昨年12月の日本学術会議の検討結果を踏まえた結果の様だ。
   因みに:
    リニア = 直線状の、 コライダー = 衝突装置

 ILCは大深度地下に全長20kmの加速器を建設し、電子/陽電子を超高速で正面衝突させて宇宙誕生直後の所謂 “ビッグバン” を再現させて宇宙の成り立ちを探ると言う、素粒子研究者等にとっては待ち望んでいる実験装置だ。
 しかし建設費用が凡そ8K億円と見積もられていて、1/2を海外から、残りを我が国が負担する。 建設期間は凡そ10年間、つまり¥400億円/年の科学技術研究予算が充てられる事となる。 更に建設後に順調に稼働させたとしても機能維持等メンテにも相当な経費が見込まれる。

 既に窮屈になっている科学技術研究予算の配分を偏らせて ILC 建設を誘致すべきかどうか、簡単な問題では無い。
 つまり、”ノーベル賞” クラスの発見が見込まれるとか、建設やら機器部材等+海外から大勢の優秀な研究者及びその家族が設置地域に住みつく事から “経済効果” が期待できる・・・なんて事だけでは決まりようが無いと言う事らしい。

 同じアカデミア陣営でも “素粒子派” と “そうでない派” は予算獲得を巡って鋭く対立している様だ。
 “そうでない派の言い分” は、恐らくは、巨額の費用を喰う加速器科学は米国とか、EU、更には何とか自然科学の分野でノーベル賞に輝きたい中国に委せ、我が国は医学/生理学の分野とか、頭脳で勝負する理論物理学の分野に特化して若手研究者に機会を与える戦略もあってしかるべきなのでは・・・あたりか。 うぅ~ん、魅力的な言い分だなぁ。

 おまけに間が悪い事には、つい最近になって3.11に準ずる様な大規模災害発生確率が改められ、どこもかしこも↑へ修正されたばかりなのに、避ける事の出来ない地震発生国に建設する必然性があるのかどうか ・・・これも説得力半端じゃぁない。
 因みに、生まれ來、地震を経験した事の無いヨーロッパ人は私ら日本人なら慣れっこになっている小さな地震でさえ、どうしたら良いのか、気が狂う程の恐怖感を味わうと聴いています。

はてさて:
 自分はヨーロッパとか米国の類似構想に相応の予算投入して施設運営権利を獲得する戦術なんかも考えて欲しいな・・・と想います。
 今の時代、この災害列島に超精密な機器類を装備する巨大設備を建設する余裕があるんかいなぁ・・・とも想わずにいられません。
 素粒子とか宇宙線、加速器科学なんぞに関わりのある旧友等が結構いるので、このブログは内緒なんですが・・・ (>_<)

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