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20200204:”学歴は不要” だが ”学識は必要” だ [ただの私見]

 中身の薄い長文ご留意下さい。
 あの環境活動家:G.トゥンベリさん(*1) の “切り返し” が無責任なマスコミの “喝采” を受けている:
   ”活動に学位関係ない
    - グレタさん、米財務長官に反論
    (日経紙:2020年1月25日付け朝刊総合紙面)

 彼女が呼びかけている “脱化石燃料” への取り組みに関連して、ムニューシン財務長官@USAが
   「大学で経済を勉強してから説明に戻ってきてもらいたい」
と言ったのに対するツイッターでの反論だった。

確かに:
 環境活動を展開する上で “学歴” は不要だ。

しかし:
 何故にこの地球の気候が変動しているのか、その理由をそれなりに理解する為には “地球科学に関わる学識” が求められる
 いろいろな学説が飛び交う中、 “主流派” の主張:
   ”産業革命前対比で世界平均気温↑を1.5℃程度に抑えれば
    温暖化は回避出来る”

に対して
   - 既に回避可能な時点を過ぎている

と考えている専門家もいれば、更に悲観論として
   - いつ来るか知れぬ氷河期を待つしか手は無い

とする学識者もいて、主流派の意見に “無批判的” に同調するのは無責任とも言える。
 “学識” 無くしては何が真理なのか、どう対処すべきなのか、最善策とは、次善策とは・・・等々、考え様が無い。

 グレタ嬢は生活のご心配は無い様だから “石炭石油を使っちゃ駄目” ・・・ って言う事に何の軋轢も感じていないに違いない。

だって:
 母国スウェーデンの電力源は
   水力≒40%、原子力≒40%・・・
で化石燃料由来電力は1%程度らしい(Wikipediaより)。
 だから石炭石油使用を止めても母国は電力に関する限り何の影響も受けない。

 しかし原子力発電は寿命を全うした燃料棒を残放射能消滅迄、”ほぼ” 未来永劫に地球に埋め込む事で成り立っている事を忘れてはならない。
 グレタ嬢よりも “はるかに*2 遅く生まれてくる人類” への負担となる押しつけであり、地球に優しい・・・と言い切る学識者はいない筈だ。

 自分等世代は温暖化の被害者だ。
 どうしてくれる・・・って叫ぶのは勝手だが、もっともっと先の子孫・・・等への責任は考えないのか。
 そんな原発電力を40%も使っているお国自身の事をどう想っているのか・・・勿論、問いただすマスコミなんぞありゃしない。

 それに日本の場合、そこら中に活断層が走り回り、地震/噴火災害に常に襲われ続ける危険度の高い国では原発の40%利用なんぞはとても出来ない話だ。
 彼女の主張は “日本は壊滅しなさい” って事にもなりかねない。

が:
 言論の自由は守られるべきだから、従って脱石炭石油を主張するのに何ら問題は無いのだが、それでは “少なくとも当面は” これ等産業に従事する他に手立てを持たない多くの国&人等の経済&生活をそれから先どうして守るのか。
 巨大な投資機関は、”ESG投資” を掲げて枯渇性資源業からマネーの引き上げを進めるが、救う事には無関心だ。
 “救済は政治家に任せる” ・・・ ではこの複雑な経済機構に縛られている世界は動き様が無い。

 加えてスウェーデンの様な先進国民には知る由も無い “飢餓”/”貧困” に見舞われている国々がたくさんこの地球上にはある(その要因の一部を作ったのはヨーロッパ先進諸国の植民地政策だ)。
 こちらは、今日/明日の命に関わる問題だ。
 自分はこの解決こそが優先されるべきだし、可能だと考える。

因みに:
 “覆水盆に返らず” ・・・ と言う。
 人間の為した事が全て回復出来るとは限らない。
 “気候変動問題” はその典型かも・・・と想わずにはいられない。
 拡大拡散していく “エントロピー” の流れを少しでも遅く変え得るのは “新化学” しかあり得ない・・・と自分は考える(*1)
 ましてや、プラ製ストローを紙製に換えるとか、レジ袋を有料化して使用量を減らす・・・なんて事で解決出来る事では無い(*2)。
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(*1):こんなブログです:
  ”20191229:罵倒するだけでは解決しない(地球温暖化)

(*2):否定している訳ではありませんが、ライフ・サイクル・アセスメント(LCA)評価すれば “目に見える効果は期待薄” で、”やらないよりは益し” ・・・ って程にも “ならない” のが本当のところだ(専門の学識者筋が何もコメントしないのが不思議だが、文科省や環境省からの助成金等の思惑があるからなぁ・・・恐らくは)。
 LCAによれば、置き換え/有料化よりも “徹底したリサイクル” の方がはるかに効果的で、その為には “厳しい罰則/思い切った罰金付きの法規制” が望まれるが、我が国でそこ迄やり遂げる事が出来るか、残念ながら望み薄だ。


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