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20200216:”前例” が無いと官僚は ”無為・無策・無力” と思い知らされた(新型肺炎感染@クルーズ船@横浜港) [ただの私見]

 横浜港は我が家から20km程の南だ。
 “しんしん” とした夜、穏やかな南風なんぞの時に “汽笛” が聞こえてくる事もあって、自分は嫌いでは無い。

 その横浜港に例のクルーズ船が長い間 “足止め” を喰らっている(2月3日~)。
 “PCR”(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)検査陽性の感染乗客を下船させて治療施設へ移動させるだけの対応で、潜伏期間を待つ迄(~2月19日)停泊させっぱなしにしている。
 潜伏期間もWHO見解をなぞって、後々になって "責任追及" された時の予防/危険予知だけは “しっかり” と先取りしている。
 その間、ひたすらPCR検査だ。

 いくら豪華客船と言っても多数の乗客乗員が閉鎖空間に密集され、限りある施設を使い回しするのだ。
 停泊中、感染者が日増しに増えていったが、当然予測され得る事だった・・・素人でさえそう想うし、感染症専門家はこぞってそう指摘していた。

 PCR検査は “陽性結果のみが積極的な意味を持つ” 検査だ。
 即ち、PCR検査で “陰性” であっても、それは “感染していない絶対的証拠にはならない”
 検体サンプリング適正はもとより、精度・感度・再現性等に当然乍ら “限界” があり、PCR検査と言えども万全では無い。
 そんな事は解りきっていた筈なのに、”PCR陰性+持病持ち高齢者” 等制限付きで下船許可(以後、国の施設で経過観察)が出たのは何とこの14日と言う無策ぶりだ。
 何故、”武漢脱出” の様な迅速対応をしなかったのか

 この間、感染症専門家の多くが船内に閉じ込める事には “否定的” で、一方では "検疫法" を根拠に国の取り組みは “正当” とする御用政治評論家もいた。
 しかしこの検疫法は古色蒼然とした今は大昔に制定された法律で、人の往来頻度が比べものにならない程加速された現在に適用出来ていない懸念は容易に考えられる。
 かって連合赤軍事件があった時、”人命は地球より重い” と言い張って超法規的措置をとって世界中から非難された事があった。
 これが歴代政府のトラウマになっているのだろうか。

 帰国を希望する乗客等に対しては、彼等の所属する国との交渉は可能な筈だった。
 武漢脱出は出来たのに、役が逆転したクルーズ船で何故出来ないのか、改めて疑問が残る。

確かに:
 正体不明のウイルスを相手に、特殊な閉じた空間に居住する3K名を越える乗客乗員の扱い事例は何処の国も経験していない。

 が、厚労省大臣の事態に追いまくられた声明は、結局は前例の無い事象に対して官僚はどう対処したら良いのか解らずに右往左往している “無為無策/無力な存在” である事を示したに過ぎない・・・些か無茶振りの言い方だが、そうとしか見えないのです。
 高校/予備校で教えるセンター試験問題は解けるが、実社会の応用問題には手が出ない優等生・・・それが中央省庁の役人ってか(故・ノムさんとはえらい違いだ)。

でもって結局:
 彼等はクルーズ船を “感染ホット・スポット” にさせ、結局は “武漢に次ぐ感染源” とさせてしまった・・・と言っても過言では無い。

 案の定、海外からの不満・不備の指摘が多い様だ。
 感染原因で死者が続出した場合、我が国は封鎖され、当然乍ら東京五輪パラリンの延期/中止/開催地変更等が論点になる事も考慮しておくフェイズに移りつつあるのだろうか・・・とすら頭を掠める次第で、今はそうならない事を祈るほか無いのか、無念極まるのです。

 “場当たり戦術” しか取れなかった政府/内閣府/厚生労働省はその “水際対策失敗” を金輪際認める事は無いだろうが、この責任は重い。

 つくづく、この国は危機対処の戦略/戦術を持たない・・・”農耕民族の宿命”(*1) と想う他ないのか。
 自分等老夫婦は国の取り組みを信用するしか手が無いだけに残念だ(*2)

因みに:
 至近の報道によれば米国が自国乗客回収に向けて準備を進めているとか。
 日本側を押し切ったんだろうなぁ。
 待っていても埒があかないので他も続々となるに違いないて・・・
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(*1):戦略/戦術は、相手を欺す “仕掛け” 等で ”待ち伏せ” して獲物を仕留める狩猟民族の得意技だ。
 自然を相手とする農耕民族は “じっと待つだけ” を信条とするので、本来これを必要としない・・・以上、”持論” です。
(*2):”20200213:新型肺炎あれこれ想う