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20181012:”捕物帖” の世界(神谷玄次郎) [気晴らし事]

 marukobunko さんのブログ(2018年10月5日)にあった “藤沢周平” 原作の “霧の果て - 神谷玄次郎捕物控” は数年前に “NHKBS時代劇” として放映されていて、運良く録画してあったので全巻を通しで観てみた(勿論 “1.5~2倍速” で)。

 シーズン-①(2014年)では5話が、翌年の同-②では8話が放映されているが、その人物&時代構成は原作をほぼ踏襲しているものの、事件の内容は脚色部分が相当ある。
 主人公役は髙橋光臣さん、恋仲役を中越典子さんが演じ、ナレーターを含めて周りはベテラン&準ベテランの役者が固めていて、それなりに安心して鑑賞に堪え得る出来映えだ。 セットも直ぐ解る様な “張りぼて感” は無かったし・・・

 WikiPedia での確認によると、玄次郎ものは1980年に尾上菊五郎版(TV東京)、1990年に古谷一行版(フジTV)があったそうだ(記憶に無い)。 古谷一行さんは金田一耕助ものだけではなかったんですねぇ。

 玄次郎配下の岡っ引き銀蔵役の中村梅雀さんの演技も良かった。
 だからか、この方は玄次郎シリーズ後、2016-17年には同じBS時代劇 “伝七捕物帖” シリーズの主役を張っている。 伝七親分とは、今は大昔、推理作家(←当時は “探偵作家” と言われていた)の皆さんが共同で創作した黒門町の岡っ引きで、映画化もされていた(故・高田浩一さん主演@松竹映画)。

 捕物帖の世界では、謎解きやサスペンスを楽しむものでは無く、事件を通して江戸の風物詩の中に溶け込む人間模様、即ち “人情” を読み解くものだ・・・とのお説が昔ありました(何方が申されたのか、うぅ~ん、思い出せない m(_ _)m )。

 確かに、ケータイ/スマホで連絡を取り合う時代とは縁が無く、ましてや膨大な犯罪人データーベースをコンピュータで瞬時に検索できる時代でもなければ、科学捜査研究所もありゃぁしない。 足で狭い江戸の町々を淡々と調べ尽くして、事件を解決していくお話で、基本、“今は昔” の物語だ。

 銭形平次の様な天才的なひらめきとコントロール抜群の銭投げ名人は極めて希な存在だ。 が、時には、将軍様の血筋らしき由緒正しきお侍さんが事件現場を見た瞬間に絡まった糸を解してしまう離れ業さえ楽しめる(城昌幸’若様侍捕り物控)・・・(^^)/

 でもって、捕物帖はかってTV時代劇の定番だったが、今や地デジの世界からは実質消えてBSで盛んに再放されるだけになっていると言ってもいいほどだ。

 だからといって全く廃れてしまった分野という訳ではない。 今や映画化とかTVドラマ化されていないだけで、小説の世界では新作の超人気シリーズもたんとある。 まぁ、お年寄りの愛読世界の話だが・・・ 

ついでに:
 “半七” ものとか、”平次” シリーズなどが “青空文庫” で手軽に読める・・・いい時代です。 たはは・・・


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