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20231114:池 央耿(いけ ひろあき)さん逝く(翻訳家) [故人を悼む]

 10月27日に逝去。 享年83歳。

 ミステリーとかSFモノを始め多くの分野の書籍を、この方の翻訳と言う事で購入読破した事が何回もあった翻訳家だ。
 老生にとって、故人は "その名前で読む洋書" ・・・そんな力量を持つ方のお一人だった(*1)。

 古くは
   E.S.ガードナー:すねた娘(お馴染みP.メースンもの)

   P.メイル:南仏プロヴァンスの12ヶ月

なんぞは懐かしい記憶だ。
 加えて
   C.ディケンズ:二都物語、クリスマス・キャロル・・・①

の様な名著の新訳も手がけられていて、読まずにはいられなかった。
 と言うのも、英国版ミステリー(+ドラマ)には、①に出てくる名台詞が主人公等の会話に引用されるのが多く、故事来歴を知らないとポカンとしてしまうからデス。
 それに新訳は文字通りに新しい研究成果が反映されているからデス。
 今後、故人の様な名翻訳家がどれほど登場してくるのか、些か気にはなります。
 黙祷。
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(*1):老生にとっては故・菊池 光氏もそのような方でした。 この方の翻訳・・・って事で読み込んだ小説はとても多かった。
 一方で故・都筑道夫氏は故・菊池氏翻訳を認めずに酷評していた。 が、老生にはこの指摘には全く以て同意し難く、かつこの方の小説は読むに堪えない感じだった・・・ファンの方には申し訳ありませんが。

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20231108:犬塚 弘さん逝く(クレージーキャッツ) [故人を悼む]

 訃報:2023年10月27日。 享年94歳。

 "ハナ肇とクレージーキャッツ" メンバーの中で "最期の旅立ち" だった。
 このメンバーはTV番組で多くの "ドタバタ" コメディ を演じていたが、どっこい、誰でも担当楽器の腕前は一流を越えていて、"とても惜しい" ・・・ って最盛期にはよく指摘されていた事を想い出します。
 故人はベース・マンでしたね。

 俳優としても無責任シリーズでの "おとぼけ" とは違った真面な人間表現者として成功を収めていた・・・とは、どの訃報記事にも記載されていた程だ。
 自分は
   稲垣吾郎’金田一シリーズ:悪魔の手鞠唄(フジTVドラマ)

で演じた医師役を懐かしく想い出します。
 黙祷。

因みに:
 故・ハナ肇さんや故・谷啓さんはBSTVで繰り返して放送される
   故・古谷一行’金田一シリーズ

での相方警部補役で今以てお目にかかる事が出来ます。

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20231028:”もんたよしのり” さん 逝く [故人を悼む]

 10月18日に逝去。 享年72歳。

 我がワイフ殿がTV速報テロップに "悲鳴" を上げた程に余りの突然の旅立ちでした。 と言うのも、先月26日放送された "うたコン"@NHK総合TVに生出演されていて、あの伝説的にもなっている
   ダンシング・オールナイト・・・①

を歌い上げているのを見ていたからと言う訳です。

 あのハスキーな声、 "しゃがれ声" は実に歌詞に似合っていたですね。 訃報記事によれば地元神戸の海岸へ出て大声を発して "ああなった" とありました。
 対話生成AIに尋ねたところ、この楽曲はロックと歌謡曲の要素を巧みに織り交ぜていて、アジア圏でもヒットしたと教えてくれましたよ。
 成る程・・・って感じ入りました。
 ともあれ余りの若さ、かつ急な旅立ちでした。
 黙祷。

追記:
 悼むブログの中で不謹慎と承知していますが、以下ご寛容の程を・・・
 老生は①を聴くと何の脈略も無く "ダンシング・ヒーロー"(荻野目さん)を想い出し、次に数年前に評判になった(、申し訳無いけど名前忘れた)某大阪府立校ダンス部員総出(?)の見事な迄の振り付けを想い出します。 これは集団舞踊( "Collective Motion" )なのに、次いではそれとは真逆のソロ "フラッシュ・ダンス" を。 我ながら人間の脳って不思議だと改めて感じ入ります。

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20231022:谷村新司さん逝く [故人を悼む]

 10月8日に逝去(訃報:16日)。 享年74歳。

 歌謡曲及びその系統に疎い老生だけど、さすがにこの方は知っている。
 中でも "昴" は、仕事仲間の多くがカラオケで朗々と歌い上げていた様に、中高年代層には特に好まれていた様に想う。
 老生は、ウイーン(?)だったか、そこでの特別編成オーケストラをバックにして故人が見事に歌いあげたビデオを観た事を想い出しました。
 訃報に接して、今一度観たいと想ってネットで探したけど、見つからなかったのが残念です。
 黙祷。

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20230930:”ゾウ” さん逝く(遠山 一さん@ダークダックス) [故人を悼む]

 9月22日に逝去。 享年93歳。

 男性コーラスの走りとも言えた "ダークダックス" メンバー 遠山 一さんの事だ。
 残念ながら他のメンバー3名は既に彼岸へ旅だってしまっている:
  高見澤 宏さん(パクさん):2011年1月7日に逝去。享年77歳。
  佐々木 行(マンガさん):2016年6月20日に逝去。享年84歳。
  喜早 哲さん(ゲタさん):2016年3月26日に逝去。享年85歳。
                          (以上:ネット情報確認)

 見事なハーモニーを聴かせて貰っていた。
 訃報記事等では代表曲として "ともしび" や "銀色の道" 等が紹介されていたが、老生は
   雪山賛歌・・・①
   白銀は招くよ・・・②

が記憶に残っている。
 ①が評判だった事もあって、冬山へ向かう若い男性が急に増えたりした事があった。 サーフィンが流行った時に片手でサーフボートを抱えるて散歩するだけの "陸サーファー" もこの手だったか。

 ②はオーストリアの天才スキーヤー’トニー・ザイラー主演の映画主題歌(原題:"12人の乙女達と1人の男")で、本人ドイツ語吹き込み版が世界中で、特に日本で大ヒットした事があって、多くの歌手がカバーしていた。
 その中で、老生にはダークダックス版は特筆だった。 但し原題は今から観れば "取るに足らない" 恋愛じみた歌詞だったが、ダークダックス版は①を彷彿される意訳版だったと解していたのは高校までドイツ語専攻だったせいだ。

 ダークダックスの好評に惹かれたのか、後から*2、この種の男性コーラスグループが続出して、その多くがヒット曲を出していた時代だったか。
 最近はBS日テレ ”BS日本・心の歌” の "フォレスタ"(音大卒男性6名)の見事な歌声を我がワイフ殿がたまに聴く時があるだけになったが。

 黙礼。

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20230919:イアン・ウィルムット氏逝く( ”クローン羊” 産みの親 ) [故人を悼む]

 9月10日に逝去。 享年79歳。

 1996年7月5日に雌羊(6歳)の乳細胞から "クローン" 技術で子を誕生させた事で有名。 この子羊は "ドリー" と命名され、世界中に知れ渡った初めての羊となった。
 この実験は哺乳類の体細胞を使用したクローンとして世界初の事例となって、"バイテク" の著しい進展と "倫理" 問題を捲き起こすきっかけとなった( "バイテク" = "バイオ・テクノロジー" )。

 この狭間で悩んでいた研究者は世界中にいた筈で、"先を越された想い" と 捲き起こされた "倫理論争" の大きさへの戸惑いを味わっていた事とだろうとは容易に推察される。
 が、"ジェンナー" を輩出したお国だし、コロナ禍の下で "ヒューマン・チャレンジ" を果敢に推進したお国柄だ。 全ての生物の生化学的/医療学的貢献を信じての取り組みだったのだろう。
 故人に "サー" の称号を与えている英国は価値観を持ち続けていて、決してブレ無い感じを受ける。 これは現下の露国によるウクライナ国への軍事侵略に対してのウ-国支援姿勢でも一貫して観られると感じているのは老生だけではあるまい。

ところで:
 因みに対話生成AIに問い合わせたところ、ドリーは進行性肺疾患等で2003年2月14日に "安楽死" させられていたそうだ(知りませんでした)。
 6.5歳だったが、これは通常の羊の寿命(10~12歳)と対比して著しい短命で、"クローンの宿命" かとも指摘されたらしい。
 但し、ドリーの体細胞からクローンで4等の羊が生まれ、元気に育成されているそうだが、今現在の様子は不明だ。

 命を "いじる" ・・・ "弄る" のかどうか。 未だにって言うか、そう簡単には片付けられない課題だろうが、戸口を開いたお一人には違い無い。
 複雑な気持ちだが、とりあえずは黙祷。

尚:
 その後、我が国の山中伸弥博士による代替 "幹細胞" 技術が開発され、倫理問題の "一部" は解決されております。

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20230829:エツコ・プライスさん逝く(若冲コレクター配偶者) [故人を悼む]

 夫であるJ.プライスさん(4.5ヶ月前の4月13日に逝去。享年93歳)の跡を追うかの様に旅立たれた(8月19日に逝去。享年84歳)。

 ご夫婦揃って若冲作品の収集・保管に努められた。
 老生が投稿したJ.プライス氏を悼むブログを以下に再録する事で黙祷の意と致したく。
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 今では我が国に於いても伊藤若冲の彩画は認められ、人気が極めて高いが、それは故人が収集し、室温・湿度・遮光等々に特別に配慮し設計した部屋で画質維持に努めて保存していた事が "たま*2" 我が国に紹介され、展示された事がきっかけだ。
 それ迄は国内の美術評論家で若冲に注目して論じた方は殆ど、いや実質いなかった・・・とは自分の理解だ。 それがどうだ、今では誰もが若冲の筆力に魅入られている。
 おかしな話だ。
 何故、我が国の学識者が若冲の希有な存在と才を論じていなかったのか。 "海外で認知されると慌てて後追いする"。 論者として恥ずかしくないのか。
 そんな想いを自分は抱くのです・・・この "井の中の蛙" は芸術分野に限らず他の諸々の文芸とか科学の領域でさえ観られるのだ。 要するに独自性を他に先んじて認める事が出来ない/先例ばかりに倣う・・・って奴だ。

故人曰く:
 「自分が若冲に出会ったのは単なる偶然では無い。
 太平洋と言う "大きな河" を隔てて、ここカルフォニア州と日本はお互いに向き合っていて、"お隣同士" なのですから。」

 ・・・故人の紹介番組がどこかのTV番組にあって、その中で自分のおぼろげになった記憶ではこの様な事を話されていました。
 奥様が日本人だった事も一因だったのでしょうが、"俯瞰" 出来るお方だったと推察する次第です。 そうで無ければ
   - "太平洋を大きな河"
   - "加州と日本は両岸で向かい合う同士"
なんて表現出来る訳無い・・・と想い、"よくぞ発掘して下さいました" と想う次第デス。
 ・・・と言う訳で、個人の先見性と言うか、感性に敬意を表して、黙礼。
                  (以上:4月29日付け投稿ブログを再掲載)




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20230823:飯守泰次郎氏逝く(ワーグナー楽曲指揮者) [故人を悼む]

 15日に逝去。 享年82歳。

 R.ワーグナー( "W" )楽曲演奏の聖地はバイロイト(フランケン地方@ドイツ)だが、ここで毎年開催される "祝祭" で音楽助手を務めて研鑚を摘み、ワーグナー楽曲指揮者として世界的に高い評価を得ていた方で、質の高い国内外楽団の指揮者を勤められてきた。
 単に技術的に秀でた・・・って言うよりも楽曲の理解度/解釈が認められたと言う事ではなかろうか(老生には解る筈も無いけど・・・)。

 老生は故・カラヤン指揮によるW-版はほぼ全曲溜め込んでいるものの、誠に申し訳ないが故人指揮によるのはたったの一枚に過ぎない。

 R.ワーグナーと言えば、是非はともかく一定の歳を経た人であればA.ヒットラー&ナチスを連想してしまい、その上映画好きならT.クルーズ主演 "ワルキューレ" が直ぐにも想い出す筈だ。
 ワルキューレ自体を知らなくとも、"地獄の黙示録" でヘリ軍団飛来シーンで鳴り響いていたのが "ワルキューレの騎行" だ。 ワルキューレとは戦争で生き残る者と死に絶える者を選ぶ北欧伝説上の女神だと気がつくと、このヘリ軍団飛来シーンの意味する事は気が滅入るばかりだ(何故ならこの映画の戦場はベトナムだから)。
 TVドラマではモース主任警部シリーズやルイス警部シリーズがワーグナー絡みのミステリがありました。

 ともあれ世界に通用した偉大な指揮者のお一人が旅だってしまわれた事に黙礼です。

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20230814:W.フリードキンさん逝く(映画監督@米国) [故人を悼む]

 8月7日に逝去。 享年87歳。

 引き込まれる筋書きの映画が幾つもありました。
 特に
   フレンチ・コネクション・・・①
   エクソシスト・・・②
   恐怖の報酬・・・③

は今も時々に鑑賞する程であります。
 ①は "ポパイ" と渾名される刑事役のジーン・ハックマンがその名を彷彿させるが如くに演じる最期の方でのクルマ同士の激しいチェイス場面は今でも圧巻だ。 同じ主人公で続編が製作されたがやはり第一作を超えるのは難しい印象だったか。
 "ポパイ" と共演していた故ロイ・シャイダーが主役を務めた③は1953年仏版(主役:故イブ・モンタン)リメイク作品で、興業的には失敗作だったらしいが、老生には仏版には無いスリル満点のシーンがあったりしてお気に入りだ。
 ③はホラーものの最高傑作に違い無い。

 CG満載の映画よりもこういう人間臭のする映画の方が好みだ。
 黙祷。

ついでに:
 人間臭い・・・って言えば、故サム・ペキンパー監督作品:"ワイルドバンチ" も "最期の西部劇群像" を描いたものだったですねぇ。
 どうした訳か、想い出します。

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20230806:R.マイズナー氏逝く( ”イーグルス” 創設メンバー) [故人を悼む]

 7月26日に逝去。 享年77歳。

 1億枚以上のレコード/ディスク売り上げを誇った "イーグルス" の創設(1971年)メンバーの一人。 ベース奏者にして、時にボーカルも。
 何と言っても
   デスペラード
   ホテルカルフォルニア・・・①

の大ヒット(1976年)で知られるが、翌1977年には脱退している。
 イーグルス自体は1982年に正式解散したが、その時のメンバー構成で1994年に再結成している(確認:ネット検索情報)。
 創設メンバー&再結成メンバーの来日公演も何度かあったが、出向く機会は得られなかった。
 ①はよく聴く方だが、正直に言えば何故か "歌詞の意味" がよく理解出来ない。 西海岸文化知らずしては解らないのか。
 当時のライブ演奏ビデオが YouTube で観る事が出来る筈なので、今夜は改めて訪ねてみる事にします。
 黙祷。

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20230802:無着成恭氏逝く(教育者&僧侶) [故人を悼む]

 7月21日に逝去。 享年96歳。

 "むちゃく せいきょう" と読む珍しい本名である事は知っていたが、誠に失礼ながら新聞訃報記事が眼にとまる迄ご生存だった事すら失念していた。
 言い訳じみるが、今では殆どの方がご存じないと想う。

 1950年代初期に教師をしていた山形県山村の中学校生徒の日常生活を綴った作文集を "山びこ学校" と集約して出版された。 これが、ごく普通の中学生の作文集と言う事で、今で言うベストセラーになり、直ぐさま映画化されたのだった。
 記憶が正しければの事だが、小学生時代に教師に引率されてこの映画を見に行ってた筈だ。 が、筋は全く覚えていない。
 ネットで検索したら
   1952年公開
   今井正監督
   主演:木村功・杉葉子・岡田英次等(いずれも故人)

とあった。 豪華な俳優さん等が出演されていた映画だったんだが、全く以て想い出せないから情けない。
 訃報記事からは山びこ以降も多様にご活躍されておられた様だが、残念ながら中学生以降の老生の関心対象は別の方向を向いていた。
 しかし、敗戦直後の教育者としてご活躍された事に素直に黙祷。

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20230729:森村誠一さん逝く(作家) [故人を悼む]

 7月24日に逝去。 享年90歳。

 デビュー時期、斬新なトリックを編み出したミステリー:
   高層の死角(1969年)・・・江戸川乱歩賞
   新幹線殺人事件(1970年)

は旧来の "名(or迷)探偵もの" とは違う、そして "社会派" とも違うもので、些かこれ等に飽きが来ていたところもあって大評判だった。
 交換殺人とか、連続殺人事件複数犯人等々、それ迄の "禁じ手" とされたトリック物も見事に昇華させた作品も多い。
 人間の業を絡ませた "証明" シリーズ( "人間の証明" & "野性の証明" )と "悪魔の飽食" は代表作とも評されている。

 又、先輩作家への敬意もしっかりしていて、故・松本清張氏に対しては
   この方が英仏語圏の方であったらバルザックと同等の評価を勝ち得ていた筈だ

と指摘されていた(もう忘れたが、NHK総合TVの何とか番組でのインタビューに答えていたものだった)。

 "人間の証明" で登場した棟居刑事@警視庁は、以後シリーズ物になった上、TVドラマ化もされた(老生としては中村雅俊さん主役シリーズがお勧めだが・・・)。
 牛尾刑事@西新宿署シリーズは永きに渡ってTVドラマ化され、昨年12月に終止符を打ったばかりだが、これはネタ切れと言うよりも、主役の相方を演じた女優のコロナ禍による彼岸への旅立ちの方が背景にあったのだろう。 片岡鶴太郎さん主役シリーズだったが、初期の頃はトリック崩しが面白かったものの、後期は原作からの飛躍&違和感を感じていたものです。

 故人の晩年に向けての創作活動はミステリーの世界とは幾ばくかの乖離が観られたが、本来の社会派の立場からの主張が多かった様に想う。
 加えて、故人の公式ウェブサイトには "ネコ特集" が組まれていて、多種多様なニャン等が愛情を持って写真に撮られているのを観るのが楽しみだったが、最近は更新が無かった様だった。
 ミステリー界に於いて新しい分野を切り開いた作品を多数読ませて戴いた感謝の他は無い。
 黙祷。

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20230722:M.クンデラ氏逝く(作家:”存在の耐えられない軽さ”) [故人を悼む]

 11日に逝去(13日)。 享年94歳。

 老生の様な後期高齢世代にとって1968年の "プラハの春" は "鉄のカーテン" 内側で発生した単なる民主化運動に留まらずに、ソ連(当時)がワルシャワ条約機構軍隊を動員してチェコに軍事侵略し、武力で潰した衝撃的な出来事だった。
 現下の露国によるウクライナ軍事侵略の報道を観聴きするにつけ、強権国家の理不尽さは今も昔も変わっていない。

 故人は "プラハの春" で改革側を支持していたが、そのせいもあってソ連(当時)支配下の故国での作家活動を断念して1975年にフランスの亡命している。
 そこで1984年に書き下した "プラハの春" を背景にしたこの小説は、不思議感ある恋愛小説で、世界的に評判となったし、我が国でも翻訳本出版(1989年)と同時に話題となっていた・・・良く覚えている。 気になる邦題だったが、煮詰めれば "人生の意義の軽重" を問うテーマだった。 確か映画化もされていたかと。
 訃報記事に依れば、つい最近の2019年12月(≒新型コロナが武漢市で大流行し始めた時期)にチェコ政府によって国籍回復が果たされたそうだ。
 ノンポリだった老生にとっても遙かかなたの青春時代とそれに続く社会人現役時代との重なりが浮かんでくる方でした。
 黙祷。

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20230704:J.グッドイナフ教授逝く(陽極材発見@Liイオン電池) [故人を悼む]

 6月25日に逝去(訃報:6月28日)。 享年100歳。

 オックスフォード大学教授時代の1980年にCo酸LiがLiイオン電池陽極適材である事を見い出し、公表していた。
 この功績で、発見より40年近く経っての2019年度ノーベル化学賞を我が国の吉野彰氏(@旭化成)等と共に受賞されている。
 Liイオン電池が実用化される迄、長い時の経過を必要とした事からであっただろうし、また当時97歳で歴代最高齢での受賞と言う事でも話題でしたな。

 ノーベル賞は故人には授与されないから "永生きせんといかん" ・・・って息巻いていた我が国超著名な学者さん(残念ながら既に故人)を知っていましたので、余計に覚えているのデス。
 Liイオン電池のあるべき組成が最終的に決まり切るのは未だ*2先だと想うけど、端緒を切り拓いた功績は歴史に残るに違いない。
 黙祷。

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20230630:ヴェニシア.S.スミスさん逝く(ハーブ料理家等) [故人を悼む]

 6月21日に逝去。 享年72歳。

 大原@京都で自家栽培中心のハーブを駆使した様々な料理を紹介されていた。
 タイトルに惹かれて観た
   "猫のしっぽ カエルの手"(NHK’ET)

で想わずに引き込まれた "手作り" の日常的生活風景。
 最初から感じていたのは "品の良い" 振る舞いだった。
 羨ましかったですねぇ。
 私等日本人の多くよりも綺麗な日本語をお話になる方だった上に、鷹揚な性格を滲ませる方だったが、それもその筈だった。 英国貴族階級出自で、1971年に来日されたと言うから半世紀を超える滞日だ。
 ご主人って言い方は今は避けられるべき用語の様だが、その方は日本人山岳写真家で、この方もSNSを発信しておられていて、これも穏やかな印象で好感を抱いていた。
 自分は歳だけは経った一老生に過ぎないが、少なくとも自分よりも日本人の心情を理解されているご夫婦の様に想え、チコッと恥ずかしい。
 素直に黙祷です。

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20230628:”冒険者” に弔意(タイタニック号観光潜水艇事故) [故人を悼む]

 4Km程の深海に横たわっているタイタニック号を間近で観光する潜水艇・・・水圧に耐えきれず圧縮破壊して乗船5名が犠牲になった・・・との報道だ(23日AM)。

 "4Km・・・も、無謀だなぁ" ・・・ と想っていたら、既にルーチン化した "観光業" との事で、加えて驚いた事に日本人でも乗船経験者がいて、間近に観たタイタニック号の模様を紹介していた事だった。

 老生の様な臆病者には "民間宇宙飛行" を含めてとても考えられない "冒険" だが、人によっては金持ちの "気まぐれ" とか "蛮勇" って言うかもしれない。
 が、老生は同時に新型コロナのパンデミック初期の頃、"ヒューマン・チャレンジ" と称する試みが米欧で開始され、それに参加する若者等が結構大勢いたとの報道に大袈裟に言えば驚愕してしまった事を何故か想い出す。
 これを報道したTVニュース番組のMCは
   とても日本では考えられない

って言ってましたよ。

 彼等彼女等には未知なるものへ挑戦せずにはいられないDNAを持っているとすれば、結局とどのつまりは、深層心理の底には彼我の絶対的な "違い" を感じずにはいられない。 その根源は狩猟民族と農耕民族の決定的な違いに由来していると老生は信じている(が、根拠の無い妄想かもだ)。
 まぁ、そんな訳で、縁もゆかりも無い5名の方々だが、彼等の "冒険+勇気" に弔意を感じずにはいられない。

付記:
 最近、NHKBSで "アポロ13号" が再放されていて、その録画していたのを観ていた時期とこの事故報道が重なっていた事もあって "劇的な救出" になるのでは・・・なんて想っていた老生は余りにも幼稚でかつ愚かでした。

もう一つの付記:
 その後の報道で、事故を起こした潜水艇運営会社には深海観光を継続するには危険が多過ぎるとの警告が何回も出されていた事を知った。
 とすれば、タイタニック号の氷山との激突による沈没も事前に警告が出されていた様だったから、偶然が重なった悲劇と言えるのかも。
 それでも老生は彼等には弔意を示したい。

更に加えて:
 ICTを巧みに活用して若くして超金持ちになっただけで無く、ロシアから打ち上げて貰って宇宙ステーションへ辿り着き、しばらくの間にそこでの滞在を "楽しみ"、やはりロシアのロケットで帰還した前澤某氏の様な "挑戦魂満載(?)" の日本人もいる。
 彼は "正月にカネをばらまく" ・・・ って様な、老生には訳の解らん事ばかりする変人では無い様で、次なる冒険は "マリアナ海溝" を間近に観る事だそうだし、更にその次は "月周回旅行" も考えているそうだ。
 こう言う日本人がいる事にチコッと "ホッと" する老生は、自分自身を理解出来ないでおりまする。

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20230624:名投手二人逝く(杉下氏&北別府氏@ニッポン・プロ野球) [故人を悼む]

 期せずして元・中日ドラゴンズと元・広島カープの伝説的名投手の訃報がほぼ同時に伝えられた(6月17日):
   杉下 茂氏:6月12日に逝去。享年97歳。
   北別府 学氏:6月16日に逝去。享年65歳。

 杉下さんは "フォーク・ボールの神様" と称される程、まか不思議な "くせ球" で他チームを翻弄してセリーグ優勝と日本シリーズを制覇している。
 6年連続で20勝以上、一シーズンで32勝した事もあり、通算215勝を記録していて、投手分業制が確立した今ではこれを越える投手は現れないのではなかろうか。

 北別府さんは黄金時だった広島カープのエース。 精密な制球力の持ち主で通算213勝をあげている。 やはり不世出の名投手と言える。

 今のNPBを知らない老生であっても、こう言う別格の投手が活躍された時期もあった事は覚えているのだ。
 お二人のご冥福を祈る次第です。
 黙祷。

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20230605:ティナ・ターナーさん逝く(R&R’女王) [故人を悼む]

 5月24日に逝去。 享年83歳。

 言わずと知れたR&R’女王だが、どうも自分にはR&Rとは想えない
   プラウド・メアリー(1971年:カバー曲)
   愛の魔力(1984年)
   007ゴールデン・アイ(1995年)

の歌手としての印象と、
   マッドマックス:サンダードーム(1985年)

での "族長" 役としての女優の印象の方がとても強いです。
 今のお若い方の多くはご存じ上げないのでは・・・そんな伝説的な方と言えるのでは。
 黙祷。

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20230526:中西太さん逝く(元・西鉄@プロ野球パリーグ) [故人を悼む]

 5月11日に逝去(訃報:5月18日)。 享年90歳。

 パ・リーグ球団は名称・運営体・拠点等々の変遷が多すぎて、今の球団がかっての何処を引き継いでいるのか、自分には頓珍漢なところがあるけど、元・西鉄が現・西武に引き継がれている事は知っている。
 この元・西鉄が黄金時代を築いた時期(1950年代央)があって、故・稲生さんや故・豊田さん等と3年連続日本一に輝いた事があった。
 当時のプロ・スポーツと言えば、日本プロ野球と大相撲、それにプロレスくらいしか想い出せないが、野球ではセ・リーグの方が人気が高い・・・って言うよりも、東京近辺では巨人と国鉄(現・ヤクルト)、それに大洋(現・DeNA)があったことから、専ら巨人中心の世界だった。
 それを九州に拠点を置く西鉄が巨人をねじ伏せたのだから大騒ぎだったなぁ・・・懐かしい記憶です。
 凄いとしか言いようが無いホームラン打者でした。
 が、西鉄以外での監督役は苦手だったんではなかったか・・・あの江本投手の "捨て台詞" にどんな背景があったのか、自分には知りようが無いけれど。
 黙祷。

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20230504:ハリー・ベラフォンテさん逝く(歌手+俳優にして社会活動家) [故人を悼む]

 4月25日に逝去。 享年96歳。

 歌手及び俳優としての活躍は知っていたが、人権問題やアフリカ難民等支援に関わる社会活動についても大きな足跡を残されているとは "ぼんやり" としか認識していなかった。 訃報&バイオグラフィー紹介記事から知った。 これ程・・・とは想わなかった自分の不明を嘆くばかりだ。

 歌手としては、1950年代央に発表した "バナナボート" が米欧&我が国で大ヒットしている。 これは母親の故郷ジャマイカに於ける労働者のバナナ出荷/荷揚げの数え歌だったが、我が国では浜村美智子さんのカバーが故人に劣らずに大ヒットした・・・昭和の生き残り世代では多くが懐かしい記憶の筈だが、今の世代の方々にはレア過ぎるだろう・・・聞くところによれば "ネオ昭和" が話題らしいけど、ご存じではあるまい。

 社会活動に絡んでも "We are the World" 等の様なヒット作品を世に送り出していて、圧倒的な存在感の持ち主だった。
 米国では故人の活動は "BLM" ( "Black Lives Matter" ) の先導的な役割を果たしたとの見方がある・・・とはBSTBS’報道1930の解説で知り(2023年4月26日・・・多分)、我が認識の甘さを痛感した次第です。
 黙祷。

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