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20230722:M.クンデラ氏逝く(作家:”存在の耐えられない軽さ”) [故人を悼む]

 11日に逝去(13日)。 享年94歳。

 老生の様な後期高齢世代にとって1968年の "プラハの春" は "鉄のカーテン" 内側で発生した単なる民主化運動に留まらずに、ソ連(当時)がワルシャワ条約機構軍隊を動員してチェコに軍事侵略し、武力で潰した衝撃的な出来事だった。
 現下の露国によるウクライナ軍事侵略の報道を観聴きするにつけ、強権国家の理不尽さは今も昔も変わっていない。

 故人は "プラハの春" で改革側を支持していたが、そのせいもあってソ連(当時)支配下の故国での作家活動を断念して1975年にフランスの亡命している。
 そこで1984年に書き下した "プラハの春" を背景にしたこの小説は、不思議感ある恋愛小説で、世界的に評判となったし、我が国でも翻訳本出版(1989年)と同時に話題となっていた・・・良く覚えている。 気になる邦題だったが、煮詰めれば "人生の意義の軽重" を問うテーマだった。 確か映画化もされていたかと。
 訃報記事に依れば、つい最近の2019年12月(≒新型コロナが武漢市で大流行し始めた時期)にチェコ政府によって国籍回復が果たされたそうだ。
 ノンポリだった老生にとっても遙かかなたの青春時代とそれに続く社会人現役時代との重なりが浮かんでくる方でした。
 黙祷。

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