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20190924:”真犯人” は ”別” の筈だが・・・(”黒井戸殺し”-三谷版 ”アクロイド殺し”) [ミステリ三昧]

 三谷幸喜さんは、脚本家として類い希な才能の持ち主・・・と同時に、役者としても “怪演” が素晴らしい。

 最近の映画 ”記憶にございません” の公開に合わせるかの様にフジTVでは昔の古畑シリーズとか映画を集中的に放映している。

 と想っていたら、14日には “黒井戸殺し” を再放していた(初出:4月14日)。
 余りにも有名なA.クリスティ:”アクロイド殺し”(発表年:1926年・・・何とっ!90年以上も前の事だ) の “J-版” だ。

 クリスティのJ-版はTV朝日でも第一作:“そして誰も・・・”(*1:これは良かった)以降計4編が放映されているが、第二作以降は折角の原作置き換えシナリオ(含・役者陣)がちょっと・・・出来映えが残念。

 超有名な作品ばかりなのでファンなら誰でもトリックを知っている事から “脚本の質” 次第で面白みが決まる。
 とすれば自分の印象では三谷版の方(第一作:”オリエント急行殺人事件”(確か2015年)&第二作:”黒・・・”)が遙かに優れていた感じだ。

さて:
 原作 “アクロイド殺し” では余り評判の良くない “仕掛け” が成されていて、当時は “フェア” か “アンフェア” かの議論が沸騰したらしい(これをなぞった “亜流版” が国内外多数ある)。
 我が国でも評論家として頂点を成した故・小林秀雄氏が “騙された” 悔しさからだろう、“あれはインチキ” と一刀両断していた程だ。

が:
 原作でH.ポワロが指摘する犯人は “不自然” かつ “矛盾” があり、本当の犯人は “**” だとする精神分析学の第一人者にしてパリ第八大学教授の論考書が出版され邦訳されている:
  ピエール・バイヤール:”アクロイドを殺したのはだれか
    筑摩*房(初版:2001年9月15日・・・当方手持ち本)
    (訳者:大浦康介@京都大学助教授(当時))

 この書籍はフランス本国で1998年に発表され、すぐさま英訳され欧米では評判だったらしい(この論考の緻密さには恐れ入る)。
 A.クリスティ氏が既に彼岸へ旅立って(没年:1976年)から20年以上も経っていての著作だけに反論が聴けないのが残念と言えば残念。

 バイヤール論以降既に20年を越えているが、これを越える論考は誰からも発表されていないし、残念ながら我が国の推理小説評論家諸氏からのコメントは見聞きした事が “一切” 無い。

 “名探偵” ポワロ氏が如何に “自己陶酔” し、”妄想” に耽り、それ故にどういう手順で “ミスった” のか、本当の “真犯人は誰だったのか”・・・興味おありでしたら是非ともご参照下さい。

ついでに:
 “黒・・・” も三谷脚本では原作に忠実だったが、かっての “オリエント急行殺人事件” のJ-版の様に “2本立て” として、第二部では “バイヤール解釈編” があってもよかったのでは・・・と想う次第だ。
 三谷さんなら見事な仕上がりが期待出来そうなのだが・・・

因みに:
 “真の犯人” は、ポワロ氏が注意も関心も寄せなかった “文字通りに身近な” 人物で、黒・・・では超有名な**さんが演じていました(これじゃぁ解りませんが、まぁ、この程度でご勘弁を ・・・ m(_ _)m )。
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(*1):大分前のブログです:
  20170430:3本の ”そして誰もいなくなった”


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20190428:何故 ”関心” を持たれ続けるのか(故・松本清張氏) [ミステリ三昧]

 “生誕110年” を記念した催しが “神奈川近代文学館”@横浜市で開催されている:
   ”巨星・松本清張” 展(2019年3月16日~5月12日)

 直筆原稿(”或る「小倉日記」伝”、”点と線”)、創作ノート、眼鏡とかモンブ*ン製万年筆&インクポット等々の遺品群の展示に加えて講演会、朗読会、映画鑑賞会等も企画されていて好評だ(参照:日経紙2018年4月20日付け朝刊文化紙面)。

 彼の作品は社会派ミステリー、(古代史等を介した)歴史小説、時代もの、近代、特に昭和史等々の広い分野をカバーしていて、個人ではとても全てを読みこなせない。

 ミステリーものの多くは、映画化は勿論、NHK及び民間TVキー局の全てでドラマ化されているが、果たして今のお若い世代になじめているのだろうか。
 因みに我が家では過去の映画&TVドラマのほぼ全てをディスクに納めていて、その数は100本を優に超える。

 つい最近にも “平成最後の” とのキャッチコピーで放映されていたが、“砂の器” は繰り返し映画化されTVドラマ化されてきたものの、その都度に “変質”(←”劣化” とは言いません)して “オリジナル・コンセプトからの乖離” が大きくなり、初版本をオンタイムで読んだ経験者からすれば物足りず、納得感が無い。
 主役の刑事/犯人役で観れば、故・丹波哲郎/故・加藤剛が演じた初代映画版(松竹/橋本プロ;脚本:橋本忍/山田洋次;1974年)、それに仲代達矢/田村正和が演じたTVドラマ版(フジTV系;1977年)を超えるものは無い・・・とは自分なりの判定だ(敬称略)。  

 彼の作品に込められた底には “怒り” があった様に自分は感じ取る。
 人間社会にこびりついた理不尽への叫び・糾弾だったと想うが、今の社会に通じたモノを何となく嗅ぎつける人達がいる限りは令和の時代になっても感心を持たれ続けているのではなかろうか。

 40歳を超えてデビューを果たした彼に当時の文壇幹部連は冷淡で、あえて無視していた事をよく覚えているが、その彼等のほぼ全員が今では顧みられない存在になっているのは何とも皮肉な結果だ。

 昭和史発掘や戦後米軍占領下での未解決事件を独特の視点から眺めた “日本の黒い霧” 等は自分の好みからは離れているが、一方で初期の所謂社会派ミステリーものには斬新な “初出トリック” が創作されていて、中には未だに通用するのでは・・・と想うモノもある。

 そう言えば、いつだったか、NHKが回顧する番組の中で森村誠一氏が
   「彼が英語圏で生まれ育って創作活動していれば
   とてつもない評価を得ていた筈」
の様な事をコメントされていた。

 それを感じ取っているのか、最近は故・松本清張氏へ敬意を著す若手作家も輩出してきたそうだ(冒頭引用紙)。
 本物は時の流れがもたらす “色褪せ” を寄せ付けない・・・と言う事かも知れません。
 以上、現役時代を知る自分の “松本清張・考” であります。

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20190101:”ブラザー・カドフェル” に出会う(修道院ミステリ@中世英国) [ミステリ三昧]

 新年明けましておめでとうご御座います。
 本年もよろしくお願い申しあげます。

と言っても年末押し迫った折の行きつけ居酒屋さんで:
 最近こちらに越して来られた中年男性から
 「”修道士カドフェル” って知ってます?」
って訊かれた。

 自分:「E.ピーターズの? 確かもう亡くなっていたはずだが・・・」
 某男性:「そう。 さすがよくご存じ」
って “褒められ” た。

 11世紀、英国中西部のシュロップシャー州シュルーズベリ(って言っても行った事無いのでどういう所か知らない)にある大修道院を舞台に繰り広げられる一風変わった推理シリーズだ。
 主人公カドフェルは “十字軍” に参加した経験を持ち、その間に “薬草” についての知識を蓄え、修道院では医療にも勤める特異な地位を維持しており、しかも “人間観察” に長けている。

 確か20編ほどのお話があって、欧米熱烈ファンの “聖地巡り” が流行った事があったと聴いている。

 我が国では平安時代後期の大昔の頃のお話。 しかも修道院と言う世俗社会とは隔離された風変わりな生活環境下で実にいろいろな事件が起こる。
 中世の英国・・・見知らぬ世界の出来事と言う事もあって、集中して読み込んだ時期があったのです(四半世紀頃前の話です (>_<) )。
 “ベッド・ディテクティブ” ものとして最高傑作とも言える “時の娘” (ジョセフィン・テイ)(*1) を読んで英国の昔モノに興味を持ったのがきっかけでした。

 件の某男性に 「どうして?」 って訊いたら、「偶然手に入れて読んだら魅入られて・・・」 今、嵌まっているのだと言う。
 どうやらマスターから自分がミステリ好きな事、聴いたらしい。

 “昔、NHKでシリーズが放映されていましたよ” って言ったら、”DVD探す” って。
 そんでもって念の為ネットで調べてみたら "新品DVDは絶版" らしい。 残念でした。 言ったらがっかりするだろうなぁ。
 現役の勤め人なので今すぐって訳にはいかないだろうが、”一度現地で聖地巡りでも” ってお薦めしておこう。
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(*1):ブラザー・カドフェルが活躍した時代から300年程経った “薔薇(バラ)戦争” 時代に非道な王として知られるリチャード三世の “悪人伝説” の信憑性に疑問を感じた警部が “文献だけから” 推理する。 この警部は捜査中の不慮の事故から入院していて、部下にいろんな文献を持ってこさせて思いを巡らせる訳だ。 歴史ミステリ不朽の名作とされる(ハヤカワミステリ文庫’キャッチコピーから一部抜粋)。
 ついでながら我が国の同じような例では “高木彬光著:成吉思汗(ジンギスカン)の秘密” があって、”義経=成吉思汗” 説を “名” 探偵・神津恭介が推理するお話がありますが、これはちょっと・・・


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20181004:ありゃりゃっ? ”犯人3番目説” 崩れたかいな? [ミステリ三昧]

 先程、我がワイフ殿が録画ミステリーを見終わり、笑いながら 「あんたの言う “犯人3番目説(*1) は大外れ!”」。

 なんのこっちゃ・・・と聴いたら、一年ぶりの高橋英樹さん主演 “十津川警部” ものの最新作で番組表で記載されていた “出演者リスト3番目の俳優さんが犯人役ではなかった” と言う。

 先月16日(日)にTV朝日系で放送された “西京トラミス69:金沢~東京・殺人ルート” の事だ(:”西京” = 西村京太郎 & “トラミス” = トラベル・ミステリー)。

 確か土曜夜の2時間枠が無くなって中断されていたシリーズの筈だが、十津川警部ものは多数の役者さんが演じている。
 記憶が正しければ、TV朝日系では初代は故・三橋達也さん(”寝台特急殺人事件” が秀逸)⇒故・天知茂さんを経て今の高橋英樹さん。 TBS系では宝田明さん⇒若林豪さん(”日本一周旅号殺人事件”)⇒故・渡瀬恒彦さん⇒内藤剛志さん、”若い時” 編としてはフジTV系で高島政伸さんが演じている。
 が、何方が演じても初期原作のイメージとの乖離が大きい。 正直、高橋英樹さんの様に格好良い刑事ものではなかった! それを “恐れる” 自分は観ないのだが、我がワイフ殿の指摘があっては放っておけない。 早送りで観た。

 出演者リストでは2番手が高田純次さん(2代目亀井刑事役)、3番目手が “財前直見” さんだった。 キャリアから言って “過去の人間模様を背負った復讐型犯人” でなくては出演の筈が無い。
 序盤では如何にも亀井刑事を嵌める犯人らしく振る舞っていたのだが・・・犯人に関係のある人物役に過ぎず、肝心の犯人役ではなかったじゃん。 何てこった!

 早見でしたが、何でああも何回も十津川警部・亀井刑事は金沢へ出向かなければならんのか・・・理解出来ないし、それにわざわざ財前さん程のキャリア女優でなくともストーリは成り立つよ・・・とさえ想ったりしました ・・・ (>_<)

ついでに:
 序盤に映し出されていた北陸新幹線 “グラン・クラス” 車内は素晴らしい! 一度は乗車経験したいもんです!
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(*1)
 20170301:ミステリの連続殺人事件に関わる "お笑い一考察" ①
 20170301:ミステリの連続殺人事件に関わる "お笑い一考察" ②

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20180924:”始め” から読むか or ”あとがき” から読むか(ミステリー読書術) [ミステリ三昧]

 昔の人は、暑さは今頃(秋の彼岸)迄と申されたそうだが、自分の経験則では10月第3週迄は夏日に襲われる事があり得る様だ。
 夜長の本格的な秋はそれからほんのちょっとしかない。
 そんな訳で読書の秋って言ったって、今、この夏の暑さに惚けた頭には軽めのミステリーが自分にはもってこいだ。

 ミステリー小説の楽しみ方はいろいろ。
 少々驚きましたが、”まず結末を読み、犯人を知った上で楽しむ” 方が結構いるらしい(日経紙2018年9月15日付け土曜特版:”私の読書術”)。

繰り返し派の方々もおられるようです:
 同日の日経紙には、A.クリスティがお好みの中野京子氏(ドイツ文学者)のエッセイがあって、繰り返し読んで “自分が何故・何処で騙された” のかを楽しみにされる方もいる:
  ”半歩遅れの読書術:旅のお供にミステリー 読み返して仕掛けを検証”

 また、三國隆三氏の様に、読み終わったとたんに、筋もトリックもすっかり忘れて、鮎川哲也氏の本格ものを繰り返し読むのを楽しみにされている方もおられる:
  鮎川哲也の論理-本格ひとすじの鬼, pp.239
  (展望社版;1999年10月20日・初版第一刷発行)

 自分を含めて大方の愛好家は “素直に始めから” が多いと想われますが、今は大昔に聴いた話では、ミステリー文庫数十冊を一括して古本として売った方がいて、それが全てに登場人物紹介欄で “犯人に〇印” をつけていたっ!・・・事があったそうです。

 買った方はどんな想いをされたのか、話題になった事がありました。 自分の様な始めからタイプの人だったら噴飯ものだったかも (>_<)


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20180815:”デ・ジャヴ”(?)に戸惑う(”生きていた男”) [ミステリ三昧]

 我がワイフ殿から ”これ、そこそこ面白い” と言われて、大昔のTVドラマを早送りで鑑賞した:
  “生きていた男”(BS-TBS;2018年4月8日・・・初回=1984年)
   主演:桃井かおりさん、(故)渡瀬恒彦氏
   脚本:(故)森瑤子氏

 多くのご家庭と同様、ミステリ物等を自動録画する様にしていて、殆どがそのままほったらかしにしているのだが、我がワイフ殿がディスク整理している過程で見つけて観たとの事だ。

 2年前に自殺した筈の兄がある日突然、妹が住む屋敷に “帰って” くる。 兄と称するが、顔・声は全く別人だ。 が、生い立ち・家族関係・趣味・交友関係その他あらゆる経歴等が兄そのもので、妹は理由が解らずに悩まされていく・・・といった筋書きだ。 ドラマ最後の場面であっと言わせる場面が仕込まれている。

 はて・・・これって “和物ミステリー” の “臭い” とか “味” が全くしない。 どこかで観た事ある話の様な気が?・・・ “既視感” っていう奴だ。

 どうしても思い出せなく、ネットであれこれ調べたところ、何と同じ題名の米国映画があった:
  “生きていた男”(:原題= Chase a Crooked Shadow;1958年)
  ヒロイン;A.バクスター
だった。 筋書きの骨格は同じだ。

 あぁ~、何と言うこと、DVD持っているじゃん! 文字通り “既視” だったのだ!
 激しくなった物忘れ症状もここまで来たかっ!・・・って、”がっくり” です (>_<)


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20180809:”名探偵” 人気ランキング [ミステリ三昧]

 欧米ミステリー・ドラマ専門チャンネルである “AXNミステリー” が、開局20周年記念として凡そ13K名から “お好み名探偵” アンケートを実施し、その結果を公開した上で現在順次放映している。

 そのランキングは
  第01位:シャーロック・ホームズ
  第02位:金田一耕助
  第03位:エルキュール・ポワロ
  第04位:コロンボ
  第05位:浅見光彦
  第06位:明智小五郎
  第07位:ミス・マープル
  第08位:三毛猫ホームズ
  第09位:モース
  第10位:ブラウン神父
だった。

 人間様名探偵に混じって “ニャン” が堂々のランクインしているのが微笑ましい。 よく見れば、浅見光彦さんとニャンを除けば皆さん “いにしえの方々” ばかりだ。 まぁ、今は名探偵さんがご活躍する時代にしては ICT(情報通信技術)が進み過ぎているとも言えるから無理も無い( 現代ロンドンで活躍しているらしい "シャーロック" は、このランキングで第一位に輝いた人とは別立てだと勝手に推測していますが・・・)。

 この結果は、わざわざお金を払ってまで海外ミステリー・ドラマをTV鑑賞している方々のお好みなのだが、自分のとは大分乖離がある。 お叱り・ご批判を承知の上で申し上げれば、なんか、どれもこれも “ミーハー的”( ← 最早 “死語” ) だなぁ(御免なさい。 m(_ _)m )。

 小説というよりもTV版ドラマ、それもシリーズで名をはせた探偵さん達ばかりで(←TV局のアンケートだから当然といえば当然)、”金田一耕助” さんなんぞはつい最近NHKBSで新作(”悪魔が来たりて笛を吹く”)が放映されたばかりだ(昨年は "獄門島" 新作が放映され、来年は "八つ墓村" がそれとなく予告されている)。 彼が活躍した時代背景を理解出来る世代は今や限られた少数派に過ぎないから、高齢者向けドラマ(?)で、まるで “紙芝居” を観ている様だったが・・・

 とは言え、地デジ/BSで再放されまくっている十津川さんとか牛尾さん、その他多数の刑事さん・弁護士さん・検事さん、更には科学捜査班の皆様方が一人も入っていないのはさすがに専門チャンネル・ファンだ。 正直、彼等・彼女らが活躍するドラマはミステリーと言うには物足りないからなぁ。 が、浅見光彦さんがランクインしているのは、ドラマ版主役俳優さんの魅力なんだろう。

 “モース警部” とか “ブラウン神父” がかろうじて9位/10位にランクインしているのは頼もしいが、これは現在も繰り返し放映中だし、少数派玄人寄りのお好みだろう(警部モースには “若かりし時代のモース刑事” も含まれているのかもしれない)。

 "C.フォイル”、”マルティン・ベック” とか “フロスト警部”、それに我が国きっての名刑事 “鬼貫(おにつら)警部” 等の名前が見えないのがとても寂しい。 どちらも派手な筋書きで活躍する訳でも無いし、TV放映の機会に恵まれているとは言えない。 M.ベックものは、今は大昔、NHKで放映されたきりに過ぎない。 自分がその時期に録画したβテープはお宝ものだ。

 これも時代の流れだ。 “身を任せる” ほか無いので、やむを得まい・・・と言う事なんですネ (>_<) 

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20180424:ミステリにおける ”キャラクター論”(偏見) [ミステリ三昧]

 "刑事モース"(原題:Endeavour)も9話(パイロット + 第1シーズン4話 + 第2シーズン4話)が終わり(NHKBS:2018年4月7日)、また再放版 "新参者(加賀恭一郎シリーズ:原作=東野圭吾氏)" 10話も終わってしまった(BSTBS:2018年4月11日)。
 刑事モースのシーズン3以降はW*W*Wの方で見なさい、加賀モノは最新作を映画で見なさい・・・と言う事なんだろうなぁ。

 TV鑑賞はあまりしない方だが、それでも楽しみの二つが無くなった自分は、整理してある手持ちビデオ・DVD等のデーターベースを眺めていたら、大昔にNHKBSで放送していた "マルティン・ベック" シリーズを見つけた。

 そうそう、こいつがあった!
 スウェーデン版警察ミステリ小説が原作で、ご夫婦作家 "M.シュヴァール/P.ヴァールー" による1965~1975年にかけてのスウェーデン社会の変わり模様も織り交ぜた傑作と評判を呼んだシリーズものだ(翻訳版を殆どを読んでいる)。
 1965年と言えば、若かりしモース刑事が警察署に入りたて時期と同じだ。
 録画版はスウェーデン国内で1990年代に(恐らくはTVドラマとして)制作されたものだった。

 北欧って行った事が無いし、恥ずかしながら地理の知識も皆無に等しいので、ドラマに出て来る地名がピンとこない。
 その上、役者さんも見馴れていない事もあって、始めの内はなかなか気持ちが入らず、加えて今のTVは画面サイズが昔の倍程度はあるから、見た目の画質落ちも大きい。
 が、登場人物の人となりと、淡々と進めていく落ち着いた捜査プロセスが丁寧に描かれており、次第に引き込まれてしまうところがうまい。

 何故か、今放送されているTV刑事物ドラマって、どうしても魅せられないんだが、どうしてだろう。
 フォイル、モースとかベックを見ていると理由は明かで(そうだ、フロスト警部も入れておきましょう)、彼等と比べると、今のTVドラマで観る刑事モノって "人間"、それも "内面" が描かれていないんですね。

 フォイル等のドラマでは、彼等の生い立ちと家族環境が仲間との繋がりを含めて緻密に描かれており、特に主人公については親兄弟・経歴・心情等が原作の設定(と言うか、原作者の設計通り)に忠実に再現されていて、おざなりなところが微塵も無い。
 加賀恭一郎シリーズに魅せられた理由もそうだったし・・・

 が、今の殆どのTV刑事ドラマにはそこが決定的に乏しいんだ。
 同じ俳優さんが局を変えて平の刑事、警部補、警部、果ては課長刑事までを一本調子で演じさせられている・・・中身が薄っぺらだからすぐに飽きちゃうんだ。

 そんな訳で、"謎解き" を純粋に堪能したい時は、所謂 "本格モノ" を本とかポケットPC等で読めむ事にしているんです。
 今や、寝る前には "黒いトランク" とか "黒い白鳥"(故・鮎川哲也氏)等、これを越える本格モノは未だ現れていないと想っている古典を繰り返し読んでいる始末です。

 いささか意味不明のブログ・タイトルで反省しております・・・なぁんて。

因みに:
 既に原作からの乖離が巨大化してしまっている "007_J.ボンド" も、初期の作品では両親・家庭・学歴・軍歴・酒肴・趣味等(含・女性遍歴)、果ては持病までもが綿密に設定されていたのです。
 シリーズものにあっては、こうでなきゃ・・・ネ

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20180317:”若かりしモース” にはまっている [ミステリ三昧]

 "刑事フォイルFoyl's War)" の再放シリーズが終わったら、今度は "刑事モース オックスフォード事件簿Endeavour )" が全9話の予定で始まっている(NHKBS)。

 "Endeavour" とは、モースの "1st Name" で、長い間謎の一つだった彼の姓名は "Endeavour Morse" と言う訳でした。

 今は昔、"主任警部モースInspector Morse)" シリーズが放映されていた(主演:J.ソウ・・・残念ながら既に故人)事があって、自分も楽しみに見ていたものでしたが、今度のシリーズは "若かりし日のモース" の活躍を描いた所謂 "スピンオフ" もの(主演:S.エヴァンス)で、英国では今やシーズン5(全4話/シーズン)が始まっているそうだ(:WOWOWでは "新米刑事モース" のタイトルで全話放映中。"主任警部モース" も)。

 1965年頃からのオックスフォードを舞台に難事件を解決していくのだが、街・いくつもあるカレッジ・教会・博物館・貴族の館・庶民の住居等を見事に描き込んでいるのが観ていて楽しく、これは主任警部モース・シリーズと同じだ。
 ここのカレッジに留学された、或いは奉職された方、更に観光で訪れた方にとっては懐かしい風景満載とも言えるかも(残念ながら自分は訪れた事はありません)。

 当時のジャガーを乗り回す姿も格好良い。
 第一、英国産のドラマでは、クルマは右ハンドル・左側通行なので観ていて違和感が無いので気が楽だ。

 原作者C.デクスターは既に故人(*) で、若かりし日のモースは新たに創作されたものだが、 "粋な作り込み" があって、同じ市警察の下っ端として登場し、第一話最後の場面で20年先の自分を鏡で観ると、J.ソウ演じた主任警部モースの顔が写る。
 主任警部モースのファンなら "たまらない擽り" だ。

   (*):昨年逝去(2017年3月21日;享年86歳)
     実は故人を悼むブログ原稿を用意していたのですが、
     何故だかPCから行方不明になったままそれっきりにしていたのです。
     あぁっ!

 モース主任警部は本国ではS.ホームズよりも人気がある探偵として知られているが、原作では最終話で没しており、残念ながら新たな続編は無い事から若かりし時代のエピソードをシリーズ化したものらしい(ミステリ好きは専門チャンネルで既に鑑賞済みでしょう)。

 クロスワード・パズルとかクラッシックのかなり高い知識を要求する内容となっているので、素養の無い自分は正直二回ほど観ないとドラマの仕掛けとか狙い筋が解りきれないのはしかたがありません (>_<)

 こう言う中身の濃いミステリって、普段なかなかお目にかからないのが残念といえば残念。
  "ミステリは本場ものに限る" なんて言うつもりはさらさらありませんが・・・
 (>_<)


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20180204:”鷲は舞いおりた” 考 [ミステリ三昧]

 ・・・とか、"J.ヒギンス" とか言っても、今は昔、すぐにも "ピン" と来る方は少ないのでは・・・(残念)
 J.ヒギンスは、どちらかと言えば反英的立場の人間像を好意的(?)に描いた、かってのアクション物の名ストーリー・テラー/ヒット・メーカーだった。
 この "鷲は舞いおりた(原題:The Eagle has landed)" は1975年に英語圏で上梓されて直ちにベストセラーになったもので、第二次世界大戦中、ナチスが時の英国宰相であるチャーチル首相の誘拐を企てる・・・と言う途方も無い話で、派遣隊が英国本土侵入成功時の "暗号" だった。
 英語圏の市民にとってはだれでも知っているに近い決め台詞で、さしずめ我が国の "この印籠が眼に入らぬかっ!" 的な台詞に相当するのではなかろうか(?&苦笑)。
 例のアポロ計画でも月面着陸機が正しく "Eagle" 号で、無事に着陸した時の合図がこの台詞だったし・・・

 原作では派遣隊の面々と彼等を率いる軍人リーダーが極めて魅力的なキャラクターの持ち主で、作者の思い入れが伝わってくる(菊池光氏訳早川書房版:初版1976年)傑作との評価が高い。
 自分は、これと "深夜プラス1"(G.ライアル:1965年上梓/菊池光氏訳早川書房版:初版1967年) が殊の外のお気に入りだ(古い時代のお話です)。

 "鷲は・・・" の映画化版がこの1月10日に放映されていた(NHKBS)。
 はて、確か昨年の夏にも放映された筈だが・・・

 この映画版は今では懐かしい役者が沢山出演している(*) が、残念ながら原作程の出来は感じられない "並" の映画だった。
 が、半年も経たないうちに再放映される・・・と言うのはそれだけリクエストが多かったのだろうか(NHKウェブサイトには映画リクエストコーナーがある)。
 どんな人がリクエストするのだろうか。

 ちょっと不思議・・・そう思っただけの "どうでも良い" ブログでした(何時か、機会があれば "鷲・・・" をブログしたかった訳であります)。

(*):重要な脇役として出演していたD.サザーランドは、最近 "ロング、ロングバケーション" で主役を好演しているとの評判だ。
 この役者さんはいろんなTVドラマとか映画に出演していますが、A.クリスティのマープルおばあさんシリーズ:"無実はさいなむ" を原作とした映画("ドーヴァー海峡殺人事件":1984年)に主演した事があって、さほど評判になった記憶はありませんが、自分にはお気に入りです(それこそ "どうでも良い事" ですが・・・)。


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20180107:またもや ”オリエント急行” ・・・が [ミステリ三昧]

 A.クリスティの名作 "オリエント急行殺人事件" がまたもや映画化され、現在公開中だ。
 今回のポワロ役はシェークスピア劇で知られたK.ブラナーだ。
 この原作、余りにも有名で、犯人("達")の事は誰でもが周知の通りだが、ポワロがどう裁くのか、エンドシーンが見ものだ。

 と言うのも、この作品の結末は "法と正義" の在り方と言うか、鬩ぎ合いが微妙で、其処に西洋ならではの “神との関わり” もあるとされているからだ。
 ポワロは真相を見抜くが、事件の本当の解決は出来ていない。
 この映画ではどう裁くのか、脚本家・監督の哲学が問われるのだが・・・

 自分は、リアリストらしく悩まずに解決してしまう1974年版、A.フィニー演ずるポワロが原作に近いと感じる(*:末尾ご参照)。

 TV ドラマで余りにも有名なD.スーシェ版は、法と正義の板挟みになったポワロが神に助けを求める・・・テーマを重く描き過ぎの感じで "いかがなものか感" が強い上、D.スーシェの加齢が進みすぎ、気の毒な感じが先に来て、感情移入が出来ない。
 力作だとは想うものの、余り好きな作品では無い(観ていると滅入ってしまう)。

 この他、A.モリナが演じた長編ドラマ版(2001年@米国)もあって、こちらは原作を大胆に現代に置き換えて、ポワロはPCさえ使いこなし、解決もあっさりとしたもので、識者による評価も高くはない。

 そう言えば日本版もあって、野村萬斎氏が演じた TV ドラマもあった(フジTV:2015年)が、脚本が三谷幸喜氏だけあって意外な程に魅せた事を覚えています。
 "そして誰もいなくなった" の日本版も一年前にありましたが、CGがチャッチぽかったものの期待外れではなかった。
 結構、"日本版" って健闘していると言えるのでは?

(*):以下、蛇足です:
 A.クリスティの名作 "そして誰もいなくなった" も同じコンセプトが背景にあって、それは "法が裁ききれなかった罪" を "正義" が裁いて "罰" を与える ・・・ 過去、卑劣な犯罪を犯して逃げおおせている犯人を、("法の番人" が) "法に背いて迄も罰する" 事の是非がモチーフになっていると言えます。

 その是非は、生まれた時に洗礼を受ける宗教が身近にある社会では狂おしい迄の未解決課題なのでは・・・と宗教とは縁遠い自分には想えるのです。
 杉下右京氏@相棒の様な方は、自分の正義=法ですから、迷う事なく法通りに真犯人達を逮捕するのでしょうが、そこには "深み" は感じられない。
 そう言えば貴乃花親方の行動にも・・・う~ん、これは余計だったかも。

ついでに:
 それにしても何十年も前の時代背景の映画を鑑賞するのは古い世代だけなんじゃなかろうか?
 若い世代の方々が関心を持つとは想えないがなぁ・・・
 (所謂 "時代劇" ファンは年寄りだけだし、"NHKの朝ドラ" だって、その時代背景を知っている世代が頷きながら時計代わりに観ているだけだと想うが・・・)

最後に:
 A.クリスティの日本版と言う事で想い出しました。
 大昔に伊東四朗氏が探偵の主役を演じたドラマがあって、手持ちDVD-Rのメモ書きを見ると、
  名探偵赤富士鷹:
   - ABC殺人事件(NHK;2005年12月29日放送)
   - 愛しのサンドリオン(NHK;2005年12月30日放送)
     (原作:ゴルフ場の殺人)

 今のNHKは民放のヒット番組のパクリが多いらしいですが、昔はこんな茶目っ気たっぷりの番組もあったんですねぇ・・・
 そう言えばお気に入りの一人である浅野忠信さんが "ロング・グッドバイ" を演じたこともあった・・・
 う~んっ ・・・ いくらでも出て来るのでここらで止めときます (>_<)


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20170530:”蚊” と言えば ”ポワロ” [ミステリ三昧]

 5月だというのに夏日が続いた先週ある日の午後。
 昼寝のあと、ブログ原稿を思い付くまま書いていたら、開け放しの網戸のちょっとした隙間から蚊が侵入!
 自分をめがけて攻撃してきた。
 思わず両手でピシャリッ!

 とたんに、D.スーシェ演ずるところの名探偵ポワロの ”メソポタミア殺人事件”(*) の一場面を想い出しました。
   (*) 原題:Murder in Mesopotamia (邦訳多数)

 古代アッシリア遺跡発掘現場の殺人事件調査を請け負ったポワロが現場近くの宿舎で泊まったある夜、やはり蚊が侵入して来るのですが、かのポワロ氏は壁にとまった蚊をコップで捕らえて放そうと悪戦苦闘したあげく、首筋を刺したところを思わず右手でピシャッと叩き潰してしまい、後悔するのです。

 犯人捜しとは何の関係もない場面なのですが、1~2分程続いて、ポワロの人柄を暖かくもユーモラスに描いているのです。

 原作にはなかった筈ですが、制作者側の意図が垣間見える場面でした。
 ”灰色の脳細胞” の持ち主は優しい心の持ち主でもあったってか?!

因みに:
 原作は忘れてしまったが、D.スーシェ版の犯人は役者からバレバレ・・・結構、TV ドラマでは見慣れた顔だったので、”此奴だろう” と直ぐに思い付く (>_<)


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20170430:3本の ”そして誰もいなくなった” [ミステリ三昧]

 A.クリスティの最高傑作の一つとも言われるもので、閉鎖空間で童謡(数え歌)通りにお互い関連性の "無い" (← しかし真犯人にとっては "ある" )人達が順次殺されていく、いわゆる "見立て殺人" 事件
 原作は1939年に発表され、以後、著名な推理作家によって数多くの見立て殺人ものが書かれました(代表事例:僧正殺人事件(ヴァン・ダイン)、ダブル・ダブル(E.クイーン)・・・)。

 この "そして誰もいなくなった" が、TV ドラマ化され、3月25日(土)と26日(日)の二夜続けてほぼ2時間ずつ、計4時間のドラマ:
  "そして誰もいなくなった"(TV朝日系)
    脚本:長坂秀佳、 演出:和泉聖治、 出演:仲間由紀恵等
として放映されていました(旬な話で無く恐縮です)。
 視聴率も良かった様です。

 多少CGの出来の悪さは目立ったものの、原作を活かした筋書きで、面白かったです。
 いくら傑作と言っても80年近く前の時代に書かれたシナリオを今ドラマ化する意味があるのか、ネットが張り巡らされ、ケータイが普及し尽くし、ドローンが飛び回ろうとしている現代日本にどうやって置き換えるのか、絶海の孤島をどうやって実現させるか等々、いろいろと疑問が湧いて尽きなかったのですが、実際に観るといろいろな工夫が楽しめました。

 順次殺されていく10名を演ずる方々それぞれが主役級の役者さんで、恐らくは "殺され役" は始めてなのでは・・・との面白みもありました。
 執事役の橋爪功さんの殺された演技が見事でしたし、元・刑事役の國村隼さんの芝居はさすがと言える程はまっていました。
 先入観もあるのでしょうが、渡瀬恒彦さん演ずる元・判事は、動きが緩慢で、元気が無かった様に見えました(役どころもそういう設定でしたが)・・・体調は良くは無かったのだと想われます。

 これだけの達者な役者さんが揃うと、お互いに、特に若手はやりにくいでしょうネ
 そんな感じを受けました。

 これに引き続いて、NHKBSで昨年(2016年)11月27日、12月4日と11日の3回(凡そ45分×3回)に分けて放映された英国TVドラマ “そして誰もいなくなった” を見直しました。
 こちらは戦時下の英国で、やはり絶海の孤島が舞台。

 見直して気がついた事ですが、長坂/和泉版はこれを入念に研究していると感じました。
 ヒロインのイメージ、それに彼女が真夜中真っ暗の中をろうそくの灯りを頼りにホテル内を行き交う雰囲気等にそれを感じたのです。
 長坂/和泉版では、仲間由紀恵さんをヒロイン役に迎える以外のキャスティングは無かったのでは?・・・
 むしろ逆の発想で、英国TV版を早い段階で観た時に、ヒロインから仲間由紀恵さんを主役とした日本版が考えられたのでは・・・と想わずにはいられません。

 更にこれに引き続いて、1974年公開の "そして誰もいなくなった"(O.リード及びR.アッテンボロー:ヒロイン=エルケ・ソマー)を観ました。
 こちらは、時代は現代ですが、舞台は絶海の孤島とは反対に砂漠の中で孤立したホテルになっています(冒頭の場面:ホテルへの移動はヘリ)。
 話の大筋は原作に沿っているのですが、最後は10人全員がいなくなる訳ではないのがミソ。
 この映画を初めて観た時、10名の役どころをよく理解出来ずにいましたが、今改めて見比べると、長坂/和泉版は原作をよくこなしていると感じました。

 WikiPedia によれば、TVドラマや映画が他にもいくつか制作されているようでしたが、おしなべて評判は今一のようでした。


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20170416:“寒い国” と “郵便配達” [ミステリ三昧]

3月後半のNHKBSで放映されたプレミアム・シネマには傑作が多かった。

洋画では特に
  ① 3月22日:寒い国から帰ったスパイ
          (原作:ジョン・ル・カレ。制作:1965年・米国)
  ② 3月24日:郵便配達は二度ベルを鳴らす
           (原作:ジェームズ・M・ケイン。制作:1946年・米国)
には魅せられました。

 ①は、リアルなスパイを描いた "最高傑作" とされている作品で、007シリーズの様な娯楽作品とは一線を画しており、お久しぶりでした。

 このブログ・コーナーを閲覧されておられる多くの方々にはご存じないと想われる東西冷戦真っ盛り、ドイツが東西に分割されて、東は旧・ソ連に、西は米国・英国・フランスに共同統治されていた時代の、二重スパイ・国家の裏切り・個人の心情と悩み等を織り込み、その結末は極めて衝撃的、かつ悲劇的です。

 カラー作品ではありませんが、むしろ白黒映画でこそ、その陰影が際立った効果を見せていると、今更ながら感じました。
 原作・映画共に “お薦め品” と信じています(内容が複雑で一回の鑑賞程度ではなかなか理解し尽くせない。家内は繰り返し観ています)。

 ②の原作は、4回ほど映画化されていて、1939年(於・フランス)、1942年(於・イタリア)、三作目が②、次いで1981年(於・米)がありました(出所:WikiPedia)。
 1981年版は、J.ニコルソン+ジェシカ・ラング共演で、何回か見ているのですが、②自体は劇場公開されてはいなかった模様で、道理で見た覚えが無い俳優さん達だった(DVD販売だけらしい)。

 題名が話の筋そのものですので、筋書きの紹介は推理モノお決まりを守り、省略させて戴きますが、非カラー作品で、これまた①と同様に陰影が素晴らしかったです。

世界大戦最中/直後にも関わらず、フランス・イタリア/米国では、この種のミステリー映画が制作されていた事にも驚きでした。

 3月末には黒澤明氏監督の代表的傑作も放映され、実り多い映画週間でした。
 これがあるから、NHK契約続けるしかないかぁ・・・本音です。

 でも今の時代、映画でもドラマでも "オンデマンド" で鑑賞する時代なんですネ。
 自分は "IoT の時代" とは言いながら、我が家の TV をネット接続するのには抵抗があり、"遅れています"。



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20170412:“名探偵・浅見光彦” さん最終話完結編は公募らしい [ミステリ三昧]

 内田康夫氏の生み出した “浅見光彦もの” は、小説・TV ドラマ共に大変人気がある様ですが、作者病気の為に最終話 「孤道」 (毎日新聞夕刊紙連載:2015年8月12日付け204回迄で、以後中断)の完結編が公募される事になった様です(日経新聞:2015年3月21日)。

 別の作者が完結編を引き継ぐ・・・似た様な事があったなぁ・・・と記憶を辿っていましたが、やっと想いだしました。

 「不連続殺人事件」 でめったやたらの殺人を扱った坂口安吾氏の "探偵もの"(←当時の用語)次作 「復員殺人事件」 が掲載誌廃刊の為に未完のままで亡くなり、その後に、”超々・天才” 神津恭介(← 何せ "神津の定理"を発見し、"神津の前に神津無し・神津の後に神津無し" と謳われたそうな)を生み出した高木彬光氏が完結編を書き下した例がありました。

 タイトルは、「樹のごときもの歩く」 で、自分としては、シームレスの様な受け取りをしていましたが、読み方が浅かったかのかも知れません。
 当時は、辛口の評判が多かった様です。

 J.ボンドものの様に、別の作家が同じ主人公で新たなシリーズを生み出した例がありますが、ミステリ作品では解決に至る迄の布石の置き方等に作家独特の流儀があるでしょうから、完結編はとても書き難いと想われます。
 高木彬光氏も大変苦労されたとか。
 今回の試みはどうなるでしょうか。

追記:
 ネットで調べたところ、海外ミステリでも未完作品の完結編を別の作者が引き継いだ例がいくつかある様ですが、自分は未読なので前後の比較が出来ず、ここでは引用しませんでした。

 療養中の内田康夫氏のご回復を祈るばかりです。


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20170328:ミステリーお笑い考 ③殺され役 [ミステリ三昧]

 小説・コミックス(自分には “漫画” と言った方がピンときます)・映画・TVドラマ・芝居等を問わずミステリーものが好みですが、“殺され役” を演ずる役者さんは、つくづく大変と同情します。

 高い所から突き落とされたら不自然な格好でじっとしている、カメラがアップしても微動だにしてはいけない、解剖場面では裸になって肢体を晒す、腹が出ていたら惨めだし、撮影中は息を止めていなければならない。
 昔、眉毛が微動していた場面を観た記憶がありますが、緊張して動いてしまったのでしょう?

 話は飛びます。
 時代劇のチャンバラ場面では主人公が次から次へと敵役を斬っていく場面が醍醐味ですが、斬られ役はカメラ枠の外に出て、また斬られ役として何回も場面に登場する! そうです。

 映画 "蒲田行進曲"(1982年;角川映画・松竹系公開) では、斬られて高い階段を転げ落ちる、所謂大部屋俳優の悲哀を描いた作品だったと覚えています。

 殺され役も斬られ役も、お仕事とは言え、大変です。
 有名なところでは、5万回斬られたとか言われる福本清三さんがおられますねぇ。
 一度だけ主役を掴み("太秦ライムライト":2014年)、海外映画祭で主演男優賞を獲得された方で、独特の雰囲気があります。
 嫌いじゃないです。


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20170301-2:ミステリの連続殺人事件に関わる "お笑い一考察" ② [ミステリ三昧]

(続き)
 連続殺人と言えば、A.クリスティ女史の最高傑作(と想っています):"そして誰も居なくなった" も10名が孤島に集められ、次々に殺害されていくのですが、最後にどんでん返しが用意されています。
 場面が限られているので舞台とか映画向きのストーリーと感じています(パロディ小説もたくさん発表されていますネ)。

 刑事フォイル新シリーズ開始(2017年1月8日)に先だって昨年末に、NHK_BS日曜夜9時枠で放映されたイギリスの最近TV映画版がありましたが、自分には随分と前に制作されたR.アッテンポロー主演映画が記憶に残っています(確か1970年代前半)。
 孤島の代わりに砂漠の中の孤立したホテルでだったと覚えています。
 女優E.ソマーも綺麗でした。

 この映画の制作年代を確認する為に WikiPedia を訪ねたら、何と、TV_朝日があの仲間由紀恵さんを配してスペシャル番組:"そして誰も居なくなった" を制作中と紹介されていました(でも殺され役だそうです (>_<) )。

 原作をほぼ忠実になぞって、孤島には "猿島"(横須賀駅の沖合いすぐ。何時も観光で賑わっている所)が使われたそうです。
 売れっ子役者を揃えるのだから都内からの近場が選ばれたのですねェ・・・
"一応"、これは観ておかないとッ!("肩すかし" は困りますが・・・)

 何年か前にフジ_TVがクリスティ女史:"オリエント急行殺人事件" を野村萬斎さん主役の和物ドラマに仕立てた事もありましたが、これは結構観せました。
 A.フィニーがポアロを演じた映画版が最高ではありますが・・・ 


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20170301:ミステリの連続殺人事件に関わる "お笑い一考察" ① [ミステリ三昧]

 少々、長文になるので二つに分けます。
 相変わらず TV ではミステリものが大流行で、一人だけではさすがに二時間も持たないだろうから、次々に人が殺されていきます。

 素人が名探偵振りを発揮して解決したり、名刑事が見事に犯人を追い詰めていくのですが、内容を "濃く" する為に組織内の軋轢が炙り出されて主人公が翻弄される場合も多いし、杉下右京さん@相棒の様に泰然自若の場合もあります。

 この種の番組を見馴れている "ひねた" 視聴者だと、これだけ名の知れた俳優がチョイ役で終わる訳は無い・・・とかで、犯人役は演じている役者でまず推測出来てしまう(TV-番組表記載出演者の "3人目" 辺りが犯人・・・と聴いた事があります)。

 犯人役は逃げ切れなくなった時の弁明の台詞が半端では無いから、ベテランしか務まらないのでは?・・・と勘ぐっている訳です。

 そう想って観ているから、何故、金田*さんとか、十津*さん等、名探偵・名刑事があっち行ったり、こっち行ったりして二時間(*)も経ってしまうのか、いつもとても不思議に想っています(途中CMタイムで一服したりして)。
(*)CMタイムがあるので、通常は1.5時間ほどが正解

 連続殺人事件ものの中でも、純文学者である坂口安吾氏になる名作:"不連続殺人事件" では何と8名もの人達が瞬く間に山間部の豪壮な館内外で殺害されてしまう(連続的に殺人が行われているにもかかわらず、題名は ”不連続・・・” で、そこに重要なヒントが隠されているのですが)。

 名探偵と称される巨瀬(こせ)博*は、すぐ側に居ながらも何もしません。
 彼は "時間当たりの殺害見逃し数" では数ある名探偵・名刑事の中でも群を抜いているのでは?
 恐らくこの分野のチャンピオンだと想われます。
 結構見逃しの多い金田*さんも金田*少年も敵いません!
 (以下、その2へ)


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20170226:刑事フォイル ②愉しんでいますが・・・ [ミステリ三昧]

 この1月8日からNHK_BSで放映されている新シリーズ(10回=原作5話分)もあと僅か。

 戦時下であっても犯罪は許さない・・・暗い世相の下、理不尽な殺人事件が起こり、フォイル警視正がミルナーとサムの二人を従えて脚で証拠を集め、理詰めで犯人を追い詰めていきます。

 名探偵ポアロの様に、最後に 「さて皆さん・・・」 と言って関係者を一堂を集めて犯人を指摘する事もしないし、2時間ミステリ・ドラマ定番の様に、断崖で犯人を追い詰める事もありません。
 ましてや犯人が震災犠牲者に紛れて未解決となる様な、いい加減な話(*)もありませんし、上司が戦時下重要人物である事を理由に犯人を見逃せば辞表を差し出してしまう。
 (*)ご参照:”20170108:刑事フォイル再開を喜ぶ”

 地味と言えば地味だし、マニア(っぽいミステリ好き)しか観ないのか知れません。
 原作は全28話で既に終わっており、前回放映分14話と今回の5話で、残りの9話は何時放映されるのか、今から大変気にしております。

 それにしても フォイル役のM.キッチンって、良い役者だなア・・・(007ではちょい役が多かった様に記憶していますが)。
 同じ様な役回りを身近な役者さんが演ずるとすれば誰が適役なのでしょうか?
 うーーーン・・・直ぐには思いつきません。


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20170211-2:"ジャッカルの日" も観ちゃった! [ミステリ三昧]

 2月10日(金)午後の横浜市郊外は前日同様に寒く、雪が舞った。 我が家のニャンは元気に外で跳ね回っていたが、こちらは家で閉じこもる事に。
 巧い具合にTV東京で "ジャッカルの日"(日本公開:1973年)を。 手持ちDVDで何回も観ているが、勿論観る事にした(何と言っても吹き替え版は気楽に画面に向かえる)。
 大評判になったスナイパーもので(原作:F.フォーサイス。1971年 ← ゴルゴ13は1968年にデビューしている筈なので、こちらの方が先輩!)、初めて観た時は時代背景も良く理解せず通り一遍の面白さしか解らなかったが、何回も観ていく内に主人公が周到にいくつもの逃走手段を用意していく過程も解ってきた。 仏大統領スナイプは失敗して良かったが、最後に撃たれてあっけなく遣られてしまうのは、何となく "惜しい" 気もしている。
 主人公役のE.フォックスはミステリーやスパイものでも良く見掛ける。007シリーズ番外編("ネバーセイ・ネバーアゲイン")、"ミス・マープル" もの(映画:"クリスタル殺人事件" やTV映画)、また今NHKBSで放映されている "刑事フォイル" にもちょい役で出演していた。 本来は舞台役者なのか? この人も綺麗に歳を取っています。


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