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20201223:ジョン・ル・カレ氏 逝く(エスピオナージュもの) [故人を悼む]

 12月12日に逝去。 享年89歳。

 フランス風のお名前だが、本名は
   David John Moore Cornwell(デイヴィッド・ジョン・ムーア・コーンウェル)
で英国人だ。

 エスピオナージュもの、つまり諜報員、ざっくりいえばスパイ物の頂点をなすお方の一人だ。
 この世界でお馴染みの "MI5"/"MI6" に "本当に" 在籍していた事から、I.フレミング創作のJ.ボンドの様な派手*2のスパイ物とは違った "実像" を描いていて、これはこれでファンが実に多い。
 老生もそうで、翻訳版の多くを読破済みだ。

 デビュー作品 "死者に掛かってきた電話"(Call for the Dead:1961年)は実に錯綜した筋書きで、初読時には一筋縄では追っていけない。

 "寒い国から買ってきたスパイ"(The Spy who came in from the Cold:1963年)が最も有名で、映画化もされている(主役:故・R.バートン)。
 統合前のベルリン@東ドイツを舞台としていて、最後の悲惨な結末は後味が悪いが、これが "東西情報戦" だ・・・と思い知らされる様だ。

 一方の "ドイツの小さな町"(The small Town in Germany:1968年)は統合前の西ドイツの "仮の" 首都:ボン(Bonn)市での "外交戦" を描いた大書で、自分は好きな方だ。

 今ひとつのお気に入りは "ロシアハウス"(The Russian House:1989年)辺りか。

 ついに亡くなったか・・・の感じがするのです。
 追悼の意味で、"寒い・・・" と "ロシア・・・" の映画版を見直そう。
 "ロシア・・・" ではついせんだって亡くなったS.コネリーさんが主役を張っているし・・・
 黙礼。

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