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20200728:リーダーの ”器”@危機時 [雑感]

 久しぶりに旧友@在独とのメール交換。
 コロナ禍対策で存在感を増したメルケル首相が、例の救済金じみたEU復興債権の件でまたしても功を奏した経緯を問うた訳だ。

 余りに永い在任期間で飽られていたところに、後継者が力不足で退場。
 そこに今回のコロナ禍。
 実力で取った博士号を持つ物理学者らしく "理詰め" で対応した施策で米欧では抜きんでた成果を収め、経済復興に向けては "消費税 ↓ " を断行して再び支持率があがったとの事だ。
 何よりも "場当たり施策" は採らずに、感染症専門家の意見を "正しく" 理解し、"不都合な真実" も対策の必要性から自らが国民へ語りかけ続けた事が圧倒的な支持の背景と言う。

 共同債にしても南欧が離脱すればEUとしての成り立ちが "痩せていく" との判断で、最も強硬な反対姿勢を示すと想われた財政規律重視派のドイツが方針転換して賛成したのも納得感が得られている様だ。

 我が国の状況も報道されているらしいが、もともと1980年代よりドイツの最大の関心対象国は中国だけで、依存度の無い日本への関心はそもそもが低い。
 それでも、コロナ禍緊急事態宣言解除後の "再炎" は報道されている様で、ましてや都市封鎖も出来ない国の成り立ちの中で何で "GoToキャンペーン" なのか・・・との印象の様だ。

 人権概念の発祥の国々では個々の国民私権よりも国民生命優先の考え方が徹底していて、必要となれば即座に都市封鎖し、所定目標が達成されれば即座に解除する。
 それが出来ずに "自粛要請" だけの "日本モデル" は "奇異" に映るだけらしい。
 我が国の感染者数、重症重篤者数や致死者数等を見る限りは功を奏した様に見えるが、それはPCR検査体制が "前近代的" だからで、実態を反映しているとは捉えられていない様だ。
 イヤハヤ・・・我が国を観る眼は厳しい。

 国の危機時には政治リーダーへの支持が高まるのが通例とされるが、それもリーダーの器次第で、米国大統領、英国首相と我が国総理大臣はこぞって支持率を下げているのが現実だ・・・とは、日経紙2020年7月26日朝刊に掲載されていた皮肉たっぷりな記事でした。