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20240111:日本は ”カナリア”(!&?) [雑感]

 ヨーロッパで経済 "一人勝ち" と伝えられてきたドイツに "日本化" の気配が・・・との記事にチコッと驚いた(日経紙:2024年1月3日付け朝刊)。
 ここでの "日本化" とは、即ち "衰退" を意味している事は言うまでも無い。
 かってはノーベル賞を受賞した経済学者から
   世界には4つの国があって、
   それは、先進国、途上国、日本とアルゼンチン

と言われた時代(1970年代初期)は、我が国は正に高度経済成長期に向かわんとしていた時であり、先進国であったアルゼンチンが失速していった時だった。
 日経紙記者はこの皮肉なコメントが浮かんでいたのかも知れないが、GDP(即ち、1年間に生産された全てのモノとサービスの市場価値)で我が国がドイツに抜かれて4位に後退・・・って騒いだのはつい昨日の様に想うのに、新聞等のメディアって "変わり身" が早い。

しかし・・・:
 GDPで、特に国民一人当たりのGDPって "国力" の一部を表しているのかも知れんが、本当に "経済実力" を現しているんだろうか。
 老生は経済学についても無智の一人だが、経済的生産活動に参加せずにいる若年層や老生の様な未就職者層を除いた "生産者人口当たりのGDP" にこそ意味があるのでは・・・永年そう想っていたが、人に尋ねるのが己の無智を曝け出す様で恥ずかしくて出来ないでいた。

ところが・・・!!!:
 世界に名高い The Wall Street Journal 社が配信していた(2024年1月2日付け07:00JPN)記事に依ればだが、
   労働人口から外れた人の殆どがGDPには貢献していない

事から、GDPの代わりに注目するよう提案されているのは
   生産年齢人口1人当たりGDP

だと言う ・・・ これを見た途端、"それっ!見たまえ" って想ってしまった。

更に同通信は:
 1990~2019年の期間では、日本のGDPの年間成長率は1%未満で、米国の約2.5%を大きく下回っており、更に1人当たりGDP成長率に至っては日本が0.8%と停滞したのに対し、米国は1.5%だった。 しかしながら、生産年齢人口1人当たりGDPでは両国の差は実質無くなり、同じ期間の成長率は日本が1.44%、米国は1.56%で、僅少差に過ぎない。
 それどころか、より至近の1998~2019年迄で見ると日本の成長率の方が僅かだが高かった様だ。
 加えて世界金融危機の最中だった2008年から新型コロナウイルス禍直前の2019年迄の期間では、生産年齢人口1人当たりGDP成長率はG7中、日本が最も高かった。

つまりは・・・:
 老生が想うには、我が国は
   - "生産者" はそれなりの経済的成果を生んでいるが、
   - "非生産者" がその足を引っ張っている

って訳かな?
 この日本の経験は多くの国にとって "直ぐ近くにやって来る重要な意味" を持つようになるだろう・・・とは同通信記事のとらえ方の様だ。

つまりは:
 日本は "鉱山のカナリア" であると言う。
 日本は出生率が最も大きく低下し、それが最も早く起きた国の一つで、しかも長寿国だからして、非生産者層による足の引っ張りが半端じゃない。
 この日本の姿はその他の所謂 "先進諸国の未来の有り得る姿"・・・かもだからだ。

因みに:
 "鉱山のカナリア"( a Canary in a Coal Mine )とは、昔、イギリス等の炭鉱員が探鉱現場へ向かう時、行列の先頭がカナリアのカゴを持って入るのが習わしだった。 カナリアの歌声が止まったり死ぬなら、炭鉱内に有害ガスが多いと判断し、炭鉱員をいち早く危険地域から逃げさせる役割を持たせた訳だ(以上、ネット解説記事より引用)。
 "まだ起きていない危険" や、"目では感知できない危険" を知らせる人、または状況を意味している訳で、日本の社会経済環境は世界の多くの国がやがては直面するそれを先取りしている・・・これが同通信社の最終結論の様だ。
 "深く読み取る" 人がいるもんだ・・・老生はただ*2感心するばかりなりデス。

だが:
 我が国民が "タンス貯金" している総額は軽く "十兆円" を越し、見積もりによっては "100兆円弱" とも言うから、この国は未だ使っていない引き出しを保っているとも言えるのではなかろうか。

ついでに:
 ここ迄に書き上げて来たら1950年代央に流行った
   "青いカナリア"(ダイナ・ショア/カバー:雪村いづみ)
を想い出しました。
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