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20190219:”象牙” 異聞 [雑感]

 “ワシントン条約” は野生動物の絶滅を防ぐ事を目的に特定動物の国際取引を規制していて、アフリカ象の場合はその “象牙及び象牙製品” の輸出入が禁止されている。

 象牙装飾品の最大市場と想われる中国では、この条約に “素直” に従い、既に国内市場を閉鎖している。
 一方、我が国では条約発効以前の輸入品に限りその売買を認めているものの、 “実態はロンダリングした象牙製装飾品とか印鑑がまかり通っている” と国際的に批判されている:
  日経紙:2019年2月8日付け朝刊社会面:
   ”象牙の販売禁止提案 ケニアなど 密漁招く日本を批判

 記事にある提案とは、密猟等によるアフリカ象の急速な生息数減少に直面しているケニアやナイジェリア等によるもので、締約国内での象牙及び象牙製品の販売禁止、即ち市場閉鎖を一律に求めている。
 近々に開催される締約国会議で2/3の賛成を得て採択された場合、政府はどのような対応を迫られるのか。

 我が家にある象牙製品は半世紀前にあしらえた “実印” だが、当時は野生動物との関わりとか、絶滅問題とかは全く意識していなかった。
 今にして想えば “ノーテンキそのもの”、”お粗末の極み” だった訳で、情けない自分だったです。

 政府は “国内市場を厳格に管理していてワ-条約に違反していない” としているものの、厳密なトレーサビリティが機能しているとは想われていないからだろう、最近は
  “象牙” ⇔ “アフリカ象密猟” ⇔ “条約違反”

のイメージが付きまとっているせいか、硬質樹脂製とか金属製実印の方が流行っているとか、聴いた。

 絶滅に向かう野生動物の保護問題は “異論の有り様が無い”。
 捕鯨の様な価値観の相違・食の伝統等々の “言い訳” は通用しない段違いの重さと広がりを持っている筈だ。
 政府の “とんちんかん” な言い逃れだけは聴きたくない・・・今ではそんな想いの自分であります。


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