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20220528:"資源争奪戦" ・・・ 金属銅(Cu)がいつかレアメタルに(EV等配線需要拡大で) [雑感]

 今日、銅線って言えば極く*2見慣れたありふれた資材で、Cuは普段は気にしない金属だ。
 が、最近はEV等の普及により "配線" 需要が急拡大していているところへ、現下の露国によるウクライナ軍事侵略の余波で、世界生産の4%程をしめる "露国からの供給不安視" に "円安" が重なり、Cuの円建て購入価格が急上昇していて、何と、¥5円硬貨の材料実費が額面価格の80%を超えた様だ:
   "銅高騰、5円玉の額面迫る"
    - ウクライナ危機・円安で拍車
    - 50年後、レアメタルに
   (日経紙:2022年5月22日付け朝刊総合5紙面)

 TVCMであの "ぐっさん" が
   ¥1円硬貨を作るのに¥3円かかる

って蘊蓄披露していたのは知っていたけど・・・。

因みに:
 5円硬貨(3.75g)は銅(60~70%)と亜鉛(Zn)の合金で出来ている事から、最新のCu&Zn価格帯で見積もると材料費だけで84%になった瞬間があったそうだ。
 とすれば、加工を含む諸々の諸経費を加算させれば額面に肉薄しちゃうかも・・・かぁ。
 そして、いつかはEVが世界中で走り回る様になれば、それを賄う配線需要だけでCu産出量の多くを使い切る事となって、30年後ほどには "レアメタル" になっちまう・・・とか。
 ”恐ろしい”・・・これが、資源が有限である事へは殆ど無頓着なESG投資の行く末なのか。

そう言えば・・・:
 想い出した事に、1990年代に "山本良一" 氏(工学博士)と言う東大の先生がおられて(当時:東京大学生産技術研究所教授。学術的研究成果多のお方でもあります)、21世紀に入ってからの各種金属類の需要見通しを見積もり、多くの金属が不足していく事に警告を発しておられた。
 当時は国、即ち経済産業省も民間も、自分の知る限りに於いてはどこも真剣に耳を傾けていなかった。

が・・・:
 今になって振り返ると、それに気がついたのはお隣の大陸国家だった様だ。
 21世紀に入ると世界中の金属資材産地での発掘権確保に取り組んだのだ。
 好きな国じゃ無いけど、遠い先を読み切る政策立案とそれを実現させる戦術展開は素早く、資源争奪最前線を走っていると想わざるを得ない(自国には種々金属の産地に恵まれているにもかかわらずに・・・)。
 切羽詰まる迄は何事もやらない国/政治とは大違いなのだ。
 それで良~いのか?