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20230919:イアン・ウィルムット氏逝く( ”クローン羊” 産みの親 ) [故人を悼む]

 9月10日に逝去。 享年79歳。

 1996年7月5日に雌羊(6歳)の乳細胞から "クローン" 技術で子を誕生させた事で有名。 この子羊は "ドリー" と命名され、世界中に知れ渡った初めての羊となった。
 この実験は哺乳類の体細胞を使用したクローンとして世界初の事例となって、"バイテク" の著しい進展と "倫理" 問題を捲き起こすきっかけとなった( "バイテク" = "バイオ・テクノロジー" )。

 この狭間で悩んでいた研究者は世界中にいた筈で、"先を越された想い" と 捲き起こされた "倫理論争" の大きさへの戸惑いを味わっていた事とだろうとは容易に推察される。
 が、"ジェンナー" を輩出したお国だし、コロナ禍の下で "ヒューマン・チャレンジ" を果敢に推進したお国柄だ。 全ての生物の生化学的/医療学的貢献を信じての取り組みだったのだろう。
 故人に "サー" の称号を与えている英国は価値観を持ち続けていて、決してブレ無い感じを受ける。 これは現下の露国によるウクライナ国への軍事侵略に対してのウ-国支援姿勢でも一貫して観られると感じているのは老生だけではあるまい。

ところで:
 因みに対話生成AIに問い合わせたところ、ドリーは進行性肺疾患等で2003年2月14日に "安楽死" させられていたそうだ(知りませんでした)。
 6.5歳だったが、これは通常の羊の寿命(10~12歳)と対比して著しい短命で、"クローンの宿命" かとも指摘されたらしい。
 但し、ドリーの体細胞からクローンで4等の羊が生まれ、元気に育成されているそうだが、今現在の様子は不明だ。

 命を "いじる" ・・・ "弄る" のかどうか。 未だにって言うか、そう簡単には片付けられない課題だろうが、戸口を開いたお一人には違い無い。
 複雑な気持ちだが、とりあえずは黙祷。

尚:
 その後、我が国の山中伸弥博士による代替 "幹細胞" 技術が開発され、倫理問題の "一部" は解決されております。

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