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20190710:”1人の弁護士” & ”12人の陪審員” [雑感]

 一週間前、3日のNHKBSで “アラバマ物語”(1962年:米)が放映されていた。
 封切り当時を想い出し、鑑賞した。
 半世紀以上経った作品なのにデジタル修復されていたのだろうか、綺麗な画面だったし、カラー化されていないのがむしろ落ち着いた印象を与えていて、ヒューマンドラマとしても良かった。

 “人種差別” を描いた映画は数多くあるが、これは “特出” している・・・と想っている。
 無智な白人女性の暴行犯にでっち上げられた黒人男性を弁護する役を “G.ペック” が “冷静に熱演” し、アカデミー賞主演男優賞を獲得していた筈だ。

 論理に裏付けられた弁論にも関わらず偏見に固まった12名の白人だけの陪審員の結論は “有罪” で、その後に予期せぬ事件が起こり、犯行をでっち上げた白人が “罰” を受ける。
 これを後に大人になった弁護士の娘の眼で描いた作品だ。
 1961年にピューリッツァー賞に輝いたH.リーの小説が原作で(← WikiPedia で確認)、この時代に人種偏見にフォーカスした映画とあって印象に残っていた訳だ。

同時に:
 そう言えばちょっと違うが法廷モノに “陪審員制度” を考えさせられる映画があったなぁ。
 “12人の怒れる男”(1957年:米)だ。

 父親殺しの犯人を裁くのだが、只一人が論理的に検事側の検証に異議を唱え、他の11名を巻き込んで行く迫力在るストーリーだった。
 ここでは “H.フォンダ” の熱演が見もので、忘れられない映画の一つだ。
 
 こう言う人間性溢れる・・・と言って良いのかどうか自分には解らないが、見終わった後で心が “ホッとする” 映画が半世紀前のアメリカ映画には結構たくさんあった・・・と、つくづく感じた次第です。
 勿論、娯楽に徹底した当今のハリウッド映画を否定している訳ではありませんとも。

ついでに:
 アラバマ物語のキャスティングを見て初めて気がついた事 - それは、物語の鍵ともなる人物を若き “R.デュバル” が演じていた事だ。 例の "ゴッドファーザー" や "地獄の黙示録" 等々の。
 映画って、見直すといつも見落としていた事に気がつく。
 そういう面白さって、ありますよね?

もう一回ついでに:
 我が国でも陪審員制度が始まって大分になるものの、二審で一審の陪審員判決が覆される例が続出すると、この制度が裁判官に尊重されているのかどうか、疑問に想います。
 市民感覚を汲み取るのが主旨の一つだった筈だが、結局は自分等の世界で閉じようとしている・・・感じがしています。
 自分が選ばれれば・・・何て当初は想っていましたが、年齢規制から既に対象外の存在なのでそれが残念 (>_<)


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