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20201116:残念だ・・・(三菱ジェット事業化凍結) [雑感]

 我が国’重工業の担い手の一角を占める三菱重工業社が、ついに国産初となるジェット旅客機の事業化を凍結する様だ(各紙10月24日報道)。

 自動車産業とは比べものにならない程に裾野が広い新たな産業分野を興そうとした経済産業省による音頭取りもあって、開発開始は2008年だった。
 が、形式認可@米も取得出来ずに12年間で6度の納期延期を重ね、累計 "1兆円" を投じたものの、至近のコロナ禍で旅客機事業の展開が描けない事からの凍結宣言だ。

その背景には:
 かって我が国は "YS11" の開発に成功した(1962年)が(*1)、当時は未だ第二次世界大戦時の "零戦" 等の飛行機技術を伝える技術者が生存していて、"経験知" が貴重な財産になっていた様だ。
 今の三菱重工業社は、F16戦闘機改良型の開発/量産を目指しているとされ、国産初の戦闘機となるらしいが、現代の旅客機は戦闘機と比べるとYS11時代とは比較にならない程に安全性とか居住性や耐久性等の仕様が極めて高いレベルで要求され、戦闘機は開発出来ても旅客機の事業化の壁は余りに高かった
 誇り高い技術陣が自前技術に拘り続け、海外からの経験豊かな技術者の参加も計った様だが、結局は成功に至らなかった・・・との記事だった(日経紙)。

 海外からの技術導入は論外だったらしいが、ほぼ同時に同クラスのジェット旅客機開発に乗り出したブラジルの企業は当該分野先進国から積極的に先進技術&技術者を取り入れ、既に形式認証を得て実用化に入っているのを知ると、世界を見渡さない独断技術で失速した "ガラケー" と本質は同じ・・・と言ってしまっては失礼過ぎるか。
 うぅ~ん、でもなぁ・・・とにかくこの挫折、必然的だった様だが残念としか言い様が無い。
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(*1)20200206:”YS11” の記憶




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