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20230227:失敗か中止か(H3) [ただの私見]

 次世代国産ロケット "H3" の延び*2になっていた打ち上げが過日トライされたが、"打ち上げ成功" には至らなかった
 主力エンジン着火迄は順調だったが、それに続くブースター補助エンジンへの着火が出来ず、
   それを察知した自動システムが主力エンジンを停止させた

との報道だ。
 JAXAは原因を早急に調査し、3月中には打ち上げにもっていきたいとの事らしい。

 この打ち上げに至らなかった事を "失敗" と断定したい報道機関及び学識者がいる一方、JAXA側はあくまで "中止" としている。

ところで・・・:
 旅客機の安全性確保の考え方の一つとして
   "フェイル・セイフ・システム"

がある。 理工系の学生であれば1~2年時の内に工学の基礎概念として学ぶ筈だ。
 これは、ざっくり言えば
   機械システムには、
    -構成部品の故障とか誤作動、
    -操縦者/運転者による誤操作等

に起因したトラブルが発生した場合に、それを回避する為の "より安全な" 仕組みを備えておく考え
と言える。
 このに背景には
   完璧な機械(部品)は存在しない
   機械部品は必ず故障/誤動作する可能性がある

事を前提とした設計思想に基づいている・・・そう、学生時代に教わっている。
 多数の乗客を抱える旅客機が複数のエンジンを備える、メイン制御システムには二重/三重のバックアップ・システムを整備する等々はこの考えに沿った取り組み事例に過ぎない。

従って・・・:
 この視点から見れば、今回のH3打ち上げが成功に至らなかったのは
   "H3-フェイル・セイフ・システム" が正常に作動して、
   その結果、打ち上げそれ自体を中止した

と解するのが工学の立場では無かろうか。
 打ち上げには成功していないが、工学的には失敗では無い・・・って訳だ。

それよりも・・・:
 自分にはJAXAが打ち上げ成功を焦る余りに、原因調査を急いで済ましてしまう様な懸念を抱く者であります。
 故人曰く:
   急がば回れ
・・・そういう訳で、念入りの調査でいきましょう。 だって税金を使ってんだぜい。

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