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20230829:エツコ・プライスさん逝く(若冲コレクター配偶者) [故人を悼む]

 夫であるJ.プライスさん(4.5ヶ月前の4月13日に逝去。享年93歳)の跡を追うかの様に旅立たれた(8月19日に逝去。享年84歳)。

 ご夫婦揃って若冲作品の収集・保管に努められた。
 老生が投稿したJ.プライス氏を悼むブログを以下に再録する事で黙祷の意と致したく。
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 今では我が国に於いても伊藤若冲の彩画は認められ、人気が極めて高いが、それは故人が収集し、室温・湿度・遮光等々に特別に配慮し設計した部屋で画質維持に努めて保存していた事が "たま*2" 我が国に紹介され、展示された事がきっかけだ。
 それ迄は国内の美術評論家で若冲に注目して論じた方は殆ど、いや実質いなかった・・・とは自分の理解だ。 それがどうだ、今では誰もが若冲の筆力に魅入られている。
 おかしな話だ。
 何故、我が国の学識者が若冲の希有な存在と才を論じていなかったのか。 "海外で認知されると慌てて後追いする"。 論者として恥ずかしくないのか。
 そんな想いを自分は抱くのです・・・この "井の中の蛙" は芸術分野に限らず他の諸々の文芸とか科学の領域でさえ観られるのだ。 要するに独自性を他に先んじて認める事が出来ない/先例ばかりに倣う・・・って奴だ。

故人曰く:
 「自分が若冲に出会ったのは単なる偶然では無い。
 太平洋と言う "大きな河" を隔てて、ここカルフォニア州と日本はお互いに向き合っていて、"お隣同士" なのですから。」

 ・・・故人の紹介番組がどこかのTV番組にあって、その中で自分のおぼろげになった記憶ではこの様な事を話されていました。
 奥様が日本人だった事も一因だったのでしょうが、"俯瞰" 出来るお方だったと推察する次第です。 そうで無ければ
   - "太平洋を大きな河"
   - "加州と日本は両岸で向かい合う同士"
なんて表現出来る訳無い・・・と想い、"よくぞ発掘して下さいました" と想う次第デス。
 ・・・と言う訳で、個人の先見性と言うか、感性に敬意を表して、黙礼。
                  (以上:4月29日付け投稿ブログを再掲載)




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