SSブログ

20191227:事務次官事件を自己流に考えると・・・(経験論的官僚論) [ただの私見]

 つい最近の事、重要な省の事務方トップを務める事務次官 “主演” 事件が2件あった。

1.農林水産省編
 20年近く前に務めていた熊澤元次官が実の息子を刺殺して “懲役6年” の実刑判決が出たが、何と “保釈” された。

 どんな事情があったにせよ、人を殺害しておきながら実刑6年というのも驚いたが、保釈には驚きを通り越して呆れた。

 地裁は認めなかったが高裁が認めた。
 例の “地裁の分際でちょこざいなっ!” って訳だ(*1)

 弁護側の控訴理由は解ると言うモノだ。
 つまりは “弁護士の正義” とは “社会正義” を意味する訳では無く、”被告/被疑者の利益” だけだからだ。
 が、判決が確定する迄の間に何か重大な事故/事件が起こった場合、保釈を認めた高裁判事の “責任” は問われ得るのだろうか。

 更に家庭内暴力沙汰を抱えているご家庭はたくさんあろうが、同じ様な事件が起こっても今回が事例となって “僅かな刑期” で済ませられる事も今後十二分に考えられる。
 何故なら、裁判判決は “前例踏襲” に依るところ極めて大だからで、極論過ぎるのは十二分に承知していながら、”やむを得ない事情殺傷事件” を “押している” 様な感じさえ受ける。

 因みに一審判決が言い渡された段階で控訴するとの報道だ。
 何ともおかしな事だ・・・と想わざるを得ない。

2.総務省編
 鈴木事務次官が例のJPかんぽ生命保険不正勧誘事件に関わる省内トップ機密(懲罰)情報をJP側トップへ漏洩した事がバレてしまい更迭された。

 JPトップが総務省次官OBの行き先の一つで、今回に限らず “昔からの伝統” なのだ。

 次官は大臣/副大臣の “次” との意味合いだが、実際には省独特の知見/経験をふんだんに持ち合わせていて、世渡りにも長けており( ← でなけりゃぁ次官に昇りつめない)、頭脳明晰/高 IQ の持ち主で、ずる賢く、国会の先生方なんぞ腹の底では “屁” とも思っていないのが通例で、普段は省内で “やりたい放題” に振る舞っている筈だ。

 大体が中央省庁の課長クラス以上になると、自省で如何に昇りつめるか、嫌な言葉だが “下る” とすれば少しでも財政豊か所管先法人を渡り歩いて退職金を稼ぐかが主要関心事となり、日本の将来なんぞには関心が無い奴らが殆どだ。
 そんな訳で自身の “人事評価” には極めて敏感で、その権限が政府側に握られている今の状況では “忖度” が罷り通り、服従する “振り” をしているに過ぎない。

 今回は高市早苗大臣が毅然とした態度で対処したので更迭となったが、いい加減な陣笠大臣なら “まぁまぁ” ・・・ って “誤魔化し人事” で済ませた事だろう。

 或いは、意地悪な深読み・・・って言うか、邪推すると “桜疑獄事件” では政府側の “ちょんぼ” だらけだったので、ここではしっかりした懲罰人事を実行して私ら国民の喝采を得ようとする “深謀遠慮” なのかも・・・まっさか? ね。
 ここは高市大臣を信頼しておきます。

 加えて、公益/一般の財団/社団法人に限らず、中央省庁OBの行き先では現役時代の人脈を利用して公募事業に有利に応募できる仕組みだから、これは何も総務省に限った訳では無く、何処の省庁でも同じ筈だ。

 そんな/こんな事が今回事件の背景にある筈だ・・・と自分は考えます。
 つまりは “この種の事件は今後も起こり得る” ・・・ と言う事なのです。
 久し振りの “経験的官僚論” でした(*2)
-----
(*1):こんなブログ投稿投稿しています:
 20191217:これでは殺害事件は無くならない
   (被害者に寄り添わない司法)

(*2):実に久方ぶりでした。
 前回は
  ”20180428:何故に事務次官の不祥事が起こるのか(経験論的官僚論)
でした。


共通テーマ:日記・雑感