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20210517:大波小波、そして ”さざ波” [ただの私見]

 患者に寄り添わない・・・って事で批判が集中している高橋洋一教授@嘉悦大学の9日付けツイッターを覗いてみた。
 コロナ禍の "大波" に襲われた米欧やインドに混じって我が国の日毎PCR陽性者数(人口100万人当たり)を同一内グラフで比較したものを提示して、
   我が国のコロナ感染状況は "さざ波"

と表現している。

 医療が逼迫し、地域によっては崩壊している現状にも関わらずに、更に多くの死者を出しながらの "矮小化" した無神経な表現が批判に曝されている訳だ。

確かに:
 このグラフで観る限り我が国のは "さざ波" に・・・と言っても不思議では無い。

が・・・:
 このグラフには見逃していけない "まやかし" ・・・ と言っては言い過ぎになるかも知れないが、"トリック" がある。

それは:
 我が国を米欧やインドと比較している事だ。
 ここにも何事も米欧と比較して "***だ" との論調がある(時として自分もそうなので、余り強くは言えない ・・・ m(_ _)m )。
 何故、身近な極東&東南アジア諸国と比較しないのか(インドを組み込んだのは感染爆発状態にあるから "好都合" だったのだろう)。 

そうすると:
 この地域で "さざ波" なのは台湾・韓国・ヴェトナム等となり、我が国はインドネシア&フィリピンと並んでワースト・グループ所属になってしまい、"大波" と言わざるを得なくなってしまうからだ。

つまりは:
 極めて "恣意的なグラフ" と言わざるを得ない。
 この点こそが指摘されなければならないと自分は考える。

 何事においてもグラフを見る時は、少なくとも
   ① 提示者は何を示し、そこから何を言いたいのか
   ② 縦軸&横軸の取り方(除・円グラフ)
   ③ 比較対象の選定

等々に留意しなければならない。

 ②を漫然と観てはいけない。
 差異を矮小化させる時、或いは逆に拡大化させる時には、"下限上限" の切り取り方、"常用か対数" 表示か、"絶対値か相対値" か等に工夫を凝らした "トリック" がよく使われる。

 ③では、今回の例の様に主張したい事が判然とする様な対象を選択しているのかどうか、中立性/客観性が担保されているのかを見極める必要があるのは言う迄も無い事になる。

 統計で嘘をつかれる/グラフで欺される・・・そんな "ワナ" に嵌まってはならない。
 私らは賢くならなければならないのです。

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