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20221019:マイナ・カードの ”ジョーカー” 構想に想う [雑感]

 マイナ・カードでいろんな行政手続きを可能とする機能を持たせて一本化を図る・・・先ずは社会保険や各種運転免許とかに関わる証書&履歴情報等々を一括して埋め込む。
 伝えられてきたデジタル庁が描く構想だ。
 これが更に拡大基調で行政DXが進めばマイナ・カードが一種の "オールマイティ・カード" になる訳だ。 正に "ジョーカー" になるって事だ。

 既にIT先進国では "当ったりメー" の事なんだが・・・但し、情報管理が確保されての上での運用が前提で、これなくしてのフライングであっては、かえって普及がつまずいてしまうのでは・・・と老生は "先走った心配" をする。

 何事においても国の施策に反対する一定の塊はいるので、マイナ・カードの義務化を否定する声がある筈だが、一方で河野デジタル大臣の指示通りにいけるかどうかは、このシステム化を "誰が" 引き受けるかにも依ると老生は考える。 偶然に眼にしたネットニュースでは、前都知事の舛添要一氏は
   役人が担当しては駄目。
   優秀な民間に任せなければ・・・

って指摘していたそうだ。

ところが・・・:
 これ迄も、大手コンピューター・メーカー各社がそれぞれに入り込んで "担当" する中央省庁のデジタル化を進めてきてはいるが、他省庁との間での仕様統合化は眼中に無い・・・これは実際に業務を担当した某社某システム・エンジニアから聴いた話だ。
 つまりは、各省それぞれの省益をもたらす許認可仕組みは、F-社とかH-社とかN-社とかT-社が独自にシステム開発とメンテ業務を一手に引き受けて保守管理しているのが現状だ(但し、実際の実務作業は政府とか各省と仲の良い大手ジョブ紹介企業等々を介してIT小社へ下請けさせているのが実態だ)。
 そんな仕組みの中で、一度自社仕様に特化しておけば、更新とか機種交換とかで既往データーとの整合性を確保する上で圧倒的に有利な立場を確保出来、他社に儲け先を奪われる事が無くなるからだ。
 あぁ~あ、それなのに、河野大臣の指示が文字通りに実現されればこの "旨み" が無くなってしまう "恐れ" が生まれちゃう。

なので・・・:
 大手が汚ッタネー手を使って死にものぐるいでシステム開発の受注合戦を繰り広げるに違い無い。
 逐一報道されれば裏側が垣間見る事が出来るかも知れんぞ。

因みに:
 大手各社独自のデジタル・システムを統合化すると、必ずって言って良い程に "バグ" が何重にも隠されていて,予期せぬ時にそれが吹き出す・・・"想定外" のトラブルって奴だ。
 み*ほ銀行系システムが大規模トラブルを繰り返し起こしているのは、同社が複数の銀行の合併会社で、それぞれが独自のシステムを構築していた事が主原因に他ならない。
 銀行統合化は政府指導の筈だったが、それでもトップは世間からも政府からも非難されお叱りを受ける・・・気の毒と言えば気の毒だが、それがトップに限る責務の一つだとすればショウガもあるまい。

 今回のマイナ・カードのジョーカー化で果たしてどんなトラブルが発生するのか、予想もつかない。
 が、DXを目指す以上は避けられない路だ。
 我が国がこれを乗り越えられるかどうかで、未来が決まる・・・かもしれない。
 わしゃ知らんが・・・

ところが:
 ここまで書いてきて、河野構想実現に向けた今ひとつの高い*2障壁がある事を忘れていた事に気がついた。
 それは医療情報履歴が統合化されると、治療履歴が一目瞭然となり、医療事故が起こった時の証拠物件になり得るし、効果に乏しい処方箋等が公になり得る。
 またよくある事だろうが、治療機関及び科が複数に渡った場合の "重複" 検査があったりすれば一目瞭然となってしまう。 この事を、医療機関、特に個人経営病院の医師等は極端に拒否反応を示すに違い無い。
 日本医師会は出身及び推薦議員を多数輩出していて、与党の強力かつ有力な支持団体だ。 とすれば、河野構想に反対するに違い無く、"骨抜き" になる可能性が大きい。
 さて*2、この圧力にどうする・・・河野大臣?

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