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20170331:垣間見た大学教授の忙しさ [ただの私見]

 アジア及び中東の大学ランキングが、英国の教育誌(タイムズ・ハイヤー・エデュケーション)から発表されています(日本経済新聞紙:2017年3月17日付け)。

 論文の影響力や国際化の度合い等13の指標から順位付けした結果によると、
  東京大学:7位(←7位)
  京都大学:14位(←11位)
との事です(括弧内は前年度順位)。

 一位に輝いたのはシンガポール国立大学、2位は北京大学、3位は精華大学であったようです。

 論文の影響力の具体的な内容は不明ですが、国際化度合いとは、要するに海外研究機関との連携や研究者の招聘とかが(他大学との比較に於いて)足りないと評価されたのだと想われます(但し、それがどうして大学の実力と関係しているのか、自分には解りようもありません ← という事は、自分は、大学の実力とは、そう関係は深くないと実感しているつもりだからです)。

 自分は民間企業に入り、某省外郭団体へ出向して現役を終えましたが、その間、新しい機能性材料やそれを産みだすシステムの研究開発を数多くの大学教授のご指導を得て取り組んできました(中央省庁の、従って皆様の税金を使わせて戴いた研究開発事業で)。

 その際に気がついた事の一つが "大学教授の忙しさ" です。
 有り体に言えば、大学の先生方は "雑用が多過ぎる"
 ”何時ご研究されているのですか?” と聴いた事がある程です。

 特に、我が国最高学府と言うだけで無く、"霞ヶ関から近い" 事もあって、東京大学の第一線を成す教授陣の多くは、各省庁の数多くの専門家委員会やワーキング・グループ、タスク・チームの委員、乃至は委員長役を "否応なし" に押しつけられる機会が "群を抜いて多く"、一度など手帳を見せられたら、連日の委員会出席で、その結果、ご自分の研究室で席を暖める時間が無い・・・これが実態でした。

 これではまともなご研究は出来ないでしょう。
 基本方針はご自分で立てるにしても、実験の指導は准教授や助教等に任せる他無く、その結果を微に入り細に入り吟味して次の戦術を立案する余裕に恵まれない。
 ましてや、海外との連携等、手がつけられないと想われます。

 自分は、横から見て、お気の毒にしか想えませんでした。
 これは、官僚が自分の手柄の為に利用しているだけだとも。

 海外ランキングトップの大学教授の忙しさは知る由も無いですが、今の日本の "知" の持ち主であり、次の日本を形作るに違い無い大学研究者陣をもっと大切に遇しようではありませんか

そうすれば、わが国の大学の研究力はもっともっと上がる筈です。
ただ残念なのは、そうする為の自分の役割が見えない事です。


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