20231020:夢を追う( ”LK-99” 常温超伝導体?) [雑感]
ついに見つけたのか?・・・この夏の一時、低温物理学者を騒然とさせた "LK-99"。 韓国にもノーベル物理学受賞者誕生か?
LK-99とは、量子エネルギー研究センター@高麗大学(韓国)所属の研究者2名の名(Dr.Lee & Dr.Kim)と発見年に由来して命名された物質で、
"常温常圧" 下に於いて超伝導(=電気抵抗がゼロ)
を示すと、この7月22日にネット上の査読前論文投稿サイトで報告された。
LK-99は合成法&組成が公表されていて、形式的な化学式は
CuO25P6Pb9
とされ、"鉛(Pb)アパタイト" に "銅(Cu)を添加" して合成するとされ、六方晶を形成する結晶体と報告されている。
これが関連サイトで紹介され、更には7月26日付けの Science.org が運営するサイトで
Breaking Superconductor News
と題して紹介されるや、世界中の低温物理学者が "追試" を始めた。
現在実用化されている超伝導体は極低温(:多くが液体ヘリウム温度、即ち-269℃)を必要としているが、それでも医療機器であるMRIとして中規模以上の病院施設では常設されている程に普及しているし、又現在JR東海が整備を進めているリニア新幹線はこの低温超伝導体を利用した車両浮上方式の鉄道輸送機関だ。
さて:
最近・・・と言っても1986年だが、-243℃付近での超伝導体(LaBaCuO-系酸化物)がIBM研究所によって発表され(、直ちに東大グループが追試し確認)、これをきっかけに世界中で銅酸化物系超伝導体開発研究が始まり、-180℃のYBaCuO系、続いて-163℃(110K)のBiSrCaCuO系が次々と発見された。
これは即ち、冷却媒体として安価な液体窒素(-196℃)が使用可能である事を意味していて、一気に産業機器素材としての実用化に向けた研究開発が始まっているとの報道もあった。
だから:
常温常圧超伝導体が工業材として実現されれば世界中で直面している "エネルギー問題" の可成りの部分が解決されると期待されていて、LK-99は "天地がひっくり返る" 程の衝撃的な登場だった。
が・・・:
残念ながら、どこの研究機関/研究者の追試でも結果は否定的だった上、"やっかみ" なのか、論文構成が粗雑とさえ指摘される始末だった。
現下の結論では、合成過程の中で不純物が入り込み、それがもたらす電気抵抗変化を超伝導現象と "見誤った" との指摘だ。
科学の分野では "再現性" が "実験的に検証" されない限り認められないのが、普通だ。
あのずば抜けた学問的業績を残されたホーキンズ博士がノーベル物理学受賞に至らなかったのは彼の宇宙誕生論の実験的検証が不可能だったからとされている。
また私等日本人が "身近" で想い出すのは、あの "STAP細胞" 事件だろう。
でも・・・:
否定された発見が、その当時では見落とされていた要件が満たされ、何時の日か追試で検証される可能性は "ゼロとは言い切れない" 事が悩ましい。
ついでに:
極低温超伝導機構については "BCS理論" で量子論的解釈がついているが(← この論文は院生時代に読んだ事あったが、当時全く考えられていなかった "仮説" を立てた論考で、難解だった事を想い出します)、高温側超伝導体メカについての理論のカタは未だの様だ。
BCS理論を提唱したお一人(名前忘れた)が
少しモディファイすれば "BCSは生き残れる" と想う
とコメントした事を覚えているが・・・
ついでに:
BCS理論を提唱した3名はノーベル物理学賞を受賞している。
"B" は、故・J.バーディーン( J.Bardeen )教授(@イリノイ大学)由来だが、この方はトランジスタの発明でもノーベル物理学賞を受賞していて、2度の栄誉に輝いている天才だった。
LK-99とは、量子エネルギー研究センター@高麗大学(韓国)所属の研究者2名の名(Dr.Lee & Dr.Kim)と発見年に由来して命名された物質で、
"常温常圧" 下に於いて超伝導(=電気抵抗がゼロ)
を示すと、この7月22日にネット上の査読前論文投稿サイトで報告された。
LK-99は合成法&組成が公表されていて、形式的な化学式は
CuO25P6Pb9
とされ、"鉛(Pb)アパタイト" に "銅(Cu)を添加" して合成するとされ、六方晶を形成する結晶体と報告されている。
これが関連サイトで紹介され、更には7月26日付けの Science.org が運営するサイトで
Breaking Superconductor News
と題して紹介されるや、世界中の低温物理学者が "追試" を始めた。
現在実用化されている超伝導体は極低温(:多くが液体ヘリウム温度、即ち-269℃)を必要としているが、それでも医療機器であるMRIとして中規模以上の病院施設では常設されている程に普及しているし、又現在JR東海が整備を進めているリニア新幹線はこの低温超伝導体を利用した車両浮上方式の鉄道輸送機関だ。
さて:
最近・・・と言っても1986年だが、-243℃付近での超伝導体(LaBaCuO-系酸化物)がIBM研究所によって発表され(、直ちに東大グループが追試し確認)、これをきっかけに世界中で銅酸化物系超伝導体開発研究が始まり、-180℃のYBaCuO系、続いて-163℃(110K)のBiSrCaCuO系が次々と発見された。
これは即ち、冷却媒体として安価な液体窒素(-196℃)が使用可能である事を意味していて、一気に産業機器素材としての実用化に向けた研究開発が始まっているとの報道もあった。
だから:
常温常圧超伝導体が工業材として実現されれば世界中で直面している "エネルギー問題" の可成りの部分が解決されると期待されていて、LK-99は "天地がひっくり返る" 程の衝撃的な登場だった。
が・・・:
残念ながら、どこの研究機関/研究者の追試でも結果は否定的だった上、"やっかみ" なのか、論文構成が粗雑とさえ指摘される始末だった。
現下の結論では、合成過程の中で不純物が入り込み、それがもたらす電気抵抗変化を超伝導現象と "見誤った" との指摘だ。
科学の分野では "再現性" が "実験的に検証" されない限り認められないのが、普通だ。
あのずば抜けた学問的業績を残されたホーキンズ博士がノーベル物理学受賞に至らなかったのは彼の宇宙誕生論の実験的検証が不可能だったからとされている。
また私等日本人が "身近" で想い出すのは、あの "STAP細胞" 事件だろう。
でも・・・:
否定された発見が、その当時では見落とされていた要件が満たされ、何時の日か追試で検証される可能性は "ゼロとは言い切れない" 事が悩ましい。
ついでに:
極低温超伝導機構については "BCS理論" で量子論的解釈がついているが(← この論文は院生時代に読んだ事あったが、当時全く考えられていなかった "仮説" を立てた論考で、難解だった事を想い出します)、高温側超伝導体メカについての理論のカタは未だの様だ。
BCS理論を提唱したお一人(名前忘れた)が
少しモディファイすれば "BCSは生き残れる" と想う
とコメントした事を覚えているが・・・
ついでに:
BCS理論を提唱した3名はノーベル物理学賞を受賞している。
"B" は、故・J.バーディーン( J.Bardeen )教授(@イリノイ大学)由来だが、この方はトランジスタの発明でもノーベル物理学賞を受賞していて、2度の栄誉に輝いている天才だった。