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20230621:”国産” 生成AI・・・開発成功を期待するけど [ただの私見]

 "対話生成AI" の基盤技術は、ほぼ全てがGoogle社での研究開発チームのものに端を発していると聴いている。 "大規模言語モデル" と呼称された "GPT"( "Generative Pretrained Transformer" ) が大元になって、G-社開発者が独立して現在の多種多様対話生成AIになり、今現在尚も "高度化発展中" と理解している。

 現時点で極く*2一般市民にとって最も身近なのは "無料" で公開されている
   チャットGPT(@オープンAI社)・・・①
   GPT-基チャットモードBing(@MS社)・・・②

   試作版BARD(@Google社)・・・③

だろう。
 ①と②の違いは、
   GPTの版違い:②の方が新版
   参照DBの規模:①<②)

と伝えられている。 とすれば無料公開版としては①よりも②がお徳(?)かもだ。

ところで:
 日経紙が①と③の優劣って言うか、使い勝手を比較検証していた記事(2023年6月3日)があったが、老生の拙い経験では何となく③の方が親切丁寧&より的確な応答の様な印象を持っているものの、勿論これが絶対である筈は無い。 何故なら質問の内容&仕方で応答内容が可成り変動するからだ(実際、冒頭引用記事では①の方が一歩先んじているとの評価だった)。

 間違いが多く、尤もらしいだけで "使い物" にならないとか、見かけだけで "新しい知見" は出て来ていない・・・何て "腐す" 人が多いけど、自分はそうは想わない。
 間違いは人間につきものだし、使い物にならない人間様も超多いし、画期的な新たな発明若しくは発見は過去経験智の脈絡の無い組み合わせから突然変異的に発生するのが実態だからだ( "無" から "有" は生じない )。
 今後、①、②&③ともに改良+有料版では特定分野の強化学習で回答の "完成度" が飛躍的に改善されていくに違い無い筈だ。

こんな外部環境下で・・・:
 国は "AI戦略会議" なるもんを立ち上げて "国産生成AI" を開発すべく論点整理を始めている。 会議座長を務める著名な学識者の方がいつだったか、
   我が国には先端半導体技術があるから・・・

と言って自信(?)の程を示されていた。
 が、これは我が国半導体産業の裏表を知り尽くした専門家からは
   そう言う時代はあったが、今は全く違う

と指摘されるに違いない・・・残念だが。

ところが、そんな折も折に・・・:
 NTT社が "国産生成AI" を開発して、特に金融&医療分野での顧客毎に特化し最適化していくとの事だ:
   NTT、生成AI開発
    -金融・医療 顧客毎に最適化
   (日経紙:2023年6月10日付け朝刊第一面トップ記事)

 大いに結構な取り組みだと想うけど、何処の業態でも有意な革新的技術に敏感なところでは既に①の有料版で契約を済ませ、生き残りをかけて自社事業に特化し、強化学習させた上で実用に供しているのではなかろうか。
 とすれば、その様な既に走り始めている所でのNTT-版への切り替えはそう簡単な話では無い。 大きな困難を伴う・・・と自分は想う。
 つまりは、はっきり言って "遅過ぎ" と言う事だ。

 今一つの懸念は、我が国のICTの先端部門では、例の国家プロジェクト「東大くん」で見られた様に大規模言語モデル開発に失敗している。 最先端を切り開いている米国勢を今更になって追い越すのは我が国ICT先端部門を以てしても至難だ・・・とだけは言わせて貰おう。

 加えて言えば、国産ソフトウェアはどうでもいいレベルの機能が盛りだくさん過ぎて "切れ" に乏しい・・・長い間の経験からそう想わざるを得ない。 まるで我が国の家電製品が使いもしない機能を満載して高価格にして市場で主役を演じ切れていないかの様にだ。

でも・・・:
 懸念材料は沢山あるのだが、とにあれNTT社の奮迅を期待する・・・しっきゃ無い。 でもオッズは相当高い。
 NTT社は "i-mode メール" の失敗を学習しておいて欲しい。
 ガラケーを再現する様な生成AIでは貴重な資の無駄遣いに終わってしまう。

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