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20171213:”麺” とは・・・ [食]

 皆様は "文化麺類学" と言う学問をご存じでしょうか?
 自分は、"石毛直道" 氏の "解説" で始めてこの言葉を眼にしました。

 日経紙朝刊の終わりの紙面・左上には "私の履歴書" と称する凡そ1300~1350文字相当(≒120文字相当の写真を含む)の連載ものがあり、"功" ある方々の生誕から今に至る履歴を一月単位で綴るもので、何はともあれ "これだけは読み込む" ・・・ と言う方を大勢知っております(今月は "江夏豊氏の履歴書" が掲載されています)。

 この11月は、"文化人類学" 者である石毛氏の履歴書でしたが、これが大変面白かった。
 過去にはいささか?と想わざるを得ない方も執筆された事がありましたし、著名な方でも履歴書となると、前半は謙虚な書きぶりがだんだんと自慢話になったりする例が結構目立ったりするのですが、今回はそんなそぶりは一切無かった事も、読んでいて気持ち良かった。

 自分は "文化人類学" とは何か、何を研究対象とするのか、全く知りませんでしたが、人の生活場面全てが研究対象となる様で、"文化麺類学" とは、麺の発生から今に至る迄の普及の経緯を辿ってそれを考察する事らしいです(おそらく半分は冗談交じりの用語だとは想いますが・・・)。

 麺は我が国は勿論の事、中国・韓国・東南アジア各国で常食とするものですが、一方の西欧における麺とは、石毛氏によれば中国を起源として中央&西アジアから東西交流の歴史の中で地中海⇒イベリア半島に伝搬していった可能性が高いそうです。
 手食文化の中では麺を汁と一緒に食べる事は難しく、"箸の文化" との関連性が高いそうで、更に "麺系譜図" なるものが即席麺を発明した日清食品が運営している "カップヌードルミュージアム" @横浜 にパネル展示されていた事もあったらしい。

 即席麺は今や世界中で毎年1千億食が消費されているとの事で、それが世界の食文化へ与えた影響等、まだまだ多くの研究課題があるそうだ。

 麺ひとつとっても人間が辿った経緯が俯瞰される・・・という、自分では考えて見もしなかった世界観に触れた気がしました。
 これからは、こんな想いを抱きながらいろんな麺を戴こう・・・なぁんてっ!


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