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20171219:水処理技術が進み過ぎると・・・ [雑感]

 日本の水処理技術は最先端を行くと聴いている。
 実際に海水淡水化プラントはとっくの昔に実用化されていて、淡水に恵まれない国々に大規模に輸出され建設されている(膜品質設計+製膜+プラント建設技術の一体化に成功している)し、身近な例として東京都の場合、高度に浄化した上水を "東京水" としてボトル詰めして販売している程だ。

 一方の下水処理については、東京五輪(1964年)頃迄は東京の一部地域を除けば水洗トイレは普及しておらず、大会期間中は今では見かけなくなって久しい "バキューム・カー" を街中を走らせずに来日者の眼に入らない措置をとっていた程、遅れていた。
 経済が発展し、自治体への税収入が潤沢になって始めて家庭用下水道整備が取り組まれるのだが、トイレの水洗化が急速に進んだのだは実質70年代以降だったと覚えている。

 今や下水処理水を飲料水レベル迄浄化する事も技術的には難しく無い。
 下水処理後に放出される最終的な行き先は海だが、その水質が "きれい" になり過ぎ、"海苔" の養殖は水温上昇もあわせてますます難しくなってきているそうだ。
 日経紙夕刊2017年12月2日付け第一面トップに "水清ければノリ棲まず" と題して詳細が記されており、最近の海苔価格の高騰原因の一つになっている。

 一方、ノロウイルス感染者の排泄物を含む汚染水の浄化処理が不完全・不十分だと、海水に紛れ込み、養殖中の牡蠣の体内に蓄積されてしまう危険性もあり、自治体の下水処理担当部門の悩みらしい( ← これは随分と前に、朝日か日経紙で読んだ記憶がある)。
 世の中、政治等 "上々" の問題も複雑怪奇ですが、"下々" にも難問が横たわっている・・・と言えます。


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