SSブログ

20201006:仕上げは5年先・・・なんて、何の意味が?(デジタル庁) [ただの私見]

 新しい政権の目玉政策の一つに "デジタル行政" がある。
 今回のコロナ禍で隠しようが無くなった行政に関わる "前近代的" 情報通信技術(ICT)システムの改革だと言う。

実際:
 政府&企業のデジタル技術革新に関わる
   ① 知識
   ② 技術
   ③ 将来への備え

を指標化して63ヵ国/地域をランキング化すると
   1位:米国
   2位:シンガポール
   3位:デンマーク

で、東アジアを観ると
   香港=5位、韓国=8位、台湾=11位、中国=16位

で、我が国は "27位" だ(スイス調査機関による2020年版結果 ← 2020年10月2日付け日経紙朝刊総合-1紙面)。

そんな折に:
 我が国のとりまとめ&旗振り役を新設する "デジタル庁" にさせるだと。
 中央及び地方自治体の行政システムを "シームレス" にして統一的なデジタル行政を実現するとの事だ。

 "e-Japan 構想" で失敗している(*1) が、何にもしないよりは "まし" だ・・・と想うしか無いが、IT-企業が "舌なめずり" している姿が思い浮かぶ。

が:
 驚いた事にその実現に "5年" かかるそうだ。
 デジタル技術の進展は政治家や役人が想定している(かどうか解らないが)のとは桁違いに速い。
 今の技術水準で基本設計して5年かけて実現させたデジタル行政システムなんぞ、稼働させた途端にその陳腐化/"ガラパゴス化" がまたもや曝されるに違い無い・・・と老生は早くも懸念しておりまする。

ついでに:
 残念ながら国産-ICTに拘っている限り世界最先端には成り様もない。

 その証拠の一つが4年程前に発足した "AI-開発プロジェクト" だ。
 文部科学省+経済産業省+総務省が後押しする "日本ならではの最先端 AI-システムの開発" を謳い挙げていた。
 その一例として、これ迄の "深層学習" を上回る "ポスト深層学習" システムの開発を、つまりは少数データーで同程度の予測/判断を可能にさせる・・・って広言していた。
 期待成果として、"過去に感染例が少ない病気でも診断を可能" にさせる等々を挙げていたが、今回のコロナ禍で活躍した事は無かった。
 まさかCOVID-19が現れるなんて4年前には想定していなかっただろうから、予算獲得の為に "ホラ" を吹いていた事が図らずもバレてしまった訳だ。
 それどころか、今では少数事例からの予測/判断機能は既に海外最先端企業では開発済みなのが現実だ。

 第2の例は厚生労働省が2017年度に打ち出した2020年度迄の AI-医療診断の実用化及びその診療報酬への反映施策だが、実現の報を聴いた事が無い。
 何よりも ICT に疎い高齢医師がこの種の政策実現に抵抗しているのだろうとは容易に想像出来る。
 選挙に強い医師会も容易に賛同しないとも。
 しかし、こんな抵抗は事前に解りきった事の筈だ。
 選挙の際、医師会の推薦を得るよりも国民を説得し見方につける戦術で闘う等々のねじ伏せるだけの政治力/行政力が決定的に不足しているせいだ。

さてもさても:
 何でも自前主義で、その結果は "使い勝手の悪さ" で誰も使いたがらない。
 そしてその行く先は "陳腐化/ガラパゴス化" だ。
 限りある税金の無駄遣いは止めて欲しい。
 足りない分を国債で・・・なんて、後世の国民へツケを廻すだけの安易な取り組みに過ぎない事を肝に銘ずべきだ。
-----
(*1)20200719:”e-Japan” ってのがあった( ”電子行政” )



共通テーマ:日記・雑感