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20231103:車輪の下 [雑感]

 2023年7月25日付け日経紙の広告:
   車輪の下。
   日々、重圧を受け続けるアスファルト舗装。
   疲弊したこのインフラを、ニチレキはどう救うのか。

とのキャプションの背景に、クルマのタイヤに踏まれ続けているアスファルト舗装路を強調した写真。
 これが "2023年日経広告大賞" を勝ち取ったらしい(日経紙:2023年10月25日付け朝刊特集紙面)。
 因みに、ニチレキ社とは道路等の舗装材料製造販売を主事業とする企業との事だ(勿論、全く知らない存在だ)。

この広告を見た瞬間・・・:
 今は昔、
   H.ヘッセ:車輪の下( "Unterm Rad" )・・・①

(の訳本(高橋健二版))が老生高校時代の必須読本の一冊だった事を想い出したのだった。
 なまじっか優秀な成績を収めたばかりに周囲の人々からの期待を一身に背負わされた少年が、その重荷に心を踏み潰されていく過程を描いた長編小説で、ヘッセ自身の自伝とされている。
 周りの期待を重荷と感じる心は正に "車輪の下で押しつぶされていく" そのものだ。 老生だとて、高校生時代は "感じやすい" 時期だったからして、"重い記憶" として残っている。

 今の時代に①を読み込む若者がいるとは想えない耄碌老生には、この広告原稿作成者に限りない "共感" を抱いたのでした。
 その成果/効果が広告大賞と言う形で結実した事に "知的な" 感覚世界が未だ存在している・・・って、チコッと安心した次第デス(しょむ無い "偏見" に過ぎませんがね)。

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