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20231104:”上級国民” に罰金1.5億円 [雑感]

 あの悲惨な事故から早くも4.5年が経過していた。
 2019年4月に旧通産省・工業技術院の元院長・飯塚幸三受刑者(92歳)が起こした池袋(豊島区@東京都)での "自動車暴走事故" の事だ・・・って言うよりも、"自動車暴走殺人事件" と言った方が正確の様だ・・・実に不条理極まる事件だった。

刑事裁判では:
 飯塚受刑者は自動車自体の欠陥を理由に無罪を主張していたが、その根拠は無く、最終的には "ブレーキ/アクセル踏み間違い" を認め、2021年9月に禁錮5年の実刑判決(東京地裁)が確定し、現在受刑中だ。
 禁固刑とは、監獄に収容はするが、獄外労働はさせずに閉じ込めるだけの刑罰なので、まさしく "幽閉" の身だ。
 が、母親娘の二人を死に至らしめ、更に多くの人に傷害を加えたにしては "たったの5年"・・・だ。 こんな甘い判決が下る日本って国は、何てまぁ寛容に満ちた国なんだろう・・・と想わずにいられない。

一方の民事裁判では:
 標題通りの賠償命令が下された(東京地裁。10月27日)。
 多額の賠償額と想われるかも知れないが、被告の事故当時及びその後の主張は責任逃ればかりで反省も謝罪も無く、SNSでは "上級国民(*1) の特権" とも指摘されていた。
 今回の民事裁判における被告側弁論を伝える情報からも反省は見られ無い事から不服控訴する可能性が残っている。
 その場合、被告は高齢なので結着が着く前に死去した場合、法律上は被告相続人が告訴を受ける義務が原則としてある様だが、どうなるかは実のところ解らない。
 被害遺族の方の苦悩はこれからも続き、容易に消えるモノでは無かろう。 老生は何の縁もゆかりも無いが、飯塚受刑者等には "怒り" と "憎しみ" しか感じ得ない。

因みに:
 地裁判決が確定された時は、賠償金は保険会社の方が支払う事になるそうで、実のところ標題通りに受刑者自体の資財からの支払にはならない様で、これにも不条理と感じる。
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(*1):旧通産省・工業技術院は、現在は経済産業省が実質的に所管する(独)産業技術総合研究所(@つくば市)に引き継がれている研究開発機関で、我が国の科学技術の根底とその産業技術化を担当する基幹組織の一翼を担っていた。
 その行政トップに相当する職を担った事から "上級国民" と揶揄された訳だ。 勿論それに相応しい人材もいた/いるに違い無いが、飯塚受刑者は自己保身だけの例外に過ぎなかった様だ・・・としか想えない。

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