SSブログ

20230510:異論あり・・・犬神家の一族@Ver_NHKBS [気晴らし事]

 今頃に何でまた・・・って感じの金田一耕助’犬神家ものがNHKBSで放送されていた(2023年4月22&29日)。
 耕助役は吉岡秀隆さんで、"悪魔が来たりて笛を吹く"(2018年)、"八つ墓村"(2019年)に続く3回目のご登場だ。

 4年振りとなったのはコロナ禍のせいだろうが、この間の "時の流れ" は "残酷" だったと言わざるを得ない。
 吉岡さんは涙袋が大きくなり、皺も増えた。 白髪にしたのはマンネリ化を避けたい演出上の思い付きだったかもだが、チコッとも似合うとは想えない印象の方が強かった。
 一方で、下宿部屋は2階から1階に替わりもしていたが、倍賞美津子さんの女将さんぶりは変わりない。
 そう言えば原作に無い磯川刑事が栄転してか、那須署長@信州として耕助と再会するのはこのシリーズのお約束事だ。

さて:
 話の筋書きは余りに有名過ぎているが、今回編では佐清が犬神家の全財産を乗っ取る "黒幕" 役で余韻を残す結末だった。

が・・・:
 いくら原作者が鬼籍に入っている方だとしても、これでは原作の主調との乖離が大き過ぎる手の入れ様だ。
 珠世と結婚するだけで犬神家を乗っ取って牛耳る事が単純にして可能なのに、 "母の愛" なんぞを持ち出し、加えてその母親を死に追いやる必然性はどこにも無い。

と言う訳で:
 今回編は老生から観れば及第点はやれない・・・残念だが。

加えて・・・:
 TVドラマとはいえ、故・市川崑監督&石坂浩二さん初版もの(1976年)の映像美とは比べものにならない程に画面が貧弱だ。
 最期のキャスト&スタッフのクレジット・エンドロールも背景画面に紛れ込んでいて不親切極まりない。 折角、大竹しのぶさんの様な名優を迎えながら、これでは失礼(?)ではなかったか。
 また言わせて貰えればだが、過去の数多くの映画&TVドラマ編’犬神家での珠世役はその時点での "見目麗しき" 女優さんが演じてきたが、今回は "NHK好み" の "演技派" 女優を充てているのは新機軸を出したい意欲の表れだったのかも知れない・・・とでもしておこう。 "ホントの事" 言ったら非難されるに決まってんだから・・・

結局の所・・・:
 吉岡版’第1&2作がそれなりに良かっただけに、今回版は期待が大き過ぎたせいもあってか、がっかり感の方が強かった・・・デス。
 それに、いくら人気者シリーズであっても、この令和の時代に古色蒼然たる感じが否めない昭和20年代のドロ*2したお話はなぁ・・・って、後期高齢者でさえ感じもしてしまう時代です、今は・・・

因みに:
 故・横溝正史作品では、金田一シリーズではないが、"蝶々殺人事件" の方がミステリとしては "はるかに上出来" ・・・ とは老生の独りよがりの評価デス。
 まぁ、いまは何事に於いても "多様性" の時代・・・なんで、言いたい放題でしたが、ご容赦の程を。

共通テーマ:日記・雑感