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20200809:テレワークは ”危険” が一杯 [ただの私見]

 コロナ禍で一挙に拡がった所謂 "テレワーク"。
 が、報道を見聞きしていると、緊急事態宣言解除後でも基本をテレワークとして継続している企業は(都内)大手と IT-系企業が中心だ。
 その証拠になるのかどうか、都内の朝方通勤電車は満員もいいとこで、殆ど宣言前に戻っている様だし、地方では基本がクルマ通勤である事もあって、とっくに元に戻っている例が多いそうだ。

 我が国の思惑とは無関係に IOT 等を包括する ICT(情報通信技術)の革新が拡がる世界で、あらゆる業務のデジタル化は避けられないが、反面
   "新しい技術の使いこなしには新しい知識と技が必要"

で、残念ながら全ての企業や個人が可能と言う訳では無い。
 我が国に於いても "デジタル・デバイド"( "ICT-格差" とでも言うのか)は確実に拡がっていると考えるのが妥当だ。

ところで:
 政府は "働き方改革" の一環として70%程を "テレで" ・・・ と要望している様だが、農業/林業/漁業/建設業/小売り業とか、多様な製造業の現場等々、テレに向かない業種も限り無く多い。
 確かに紋切り型の定型的事務作業や書類作成等はテレで可能だが、在宅PCとオフィスPCとでは機器そのものの仕様やネット環境、加えてセキュリティ・レベルがまるで違うのが普通だ。
 とりわけ、在宅でオフィス並みのセキュリティを確保しようとすると、結構大変だ。
 使用する当人の用心深さが何よりも大切ではあろうが、並みのウイルス退治ソフトウェア程度では直ぐにブラック・ハッカーの餌食になる事受け合いだ。
 防ぐにはそれなりの専門知識が必要だし、場合によりメンテも必要となってくる。
 加えて曲者がWiFi/ルーターだ。
 極々の普通人は最新モデルを使うしか無いが、これとて万全のセキュリティを保証してくれるモノではない(大抵の場合、使用に当たっての "瑕疵(かし)条項" って奴があって、"使用者側の責任で使う" と明記されている場合が多い)。

 何よりも危険なのは低レベルのセキュリティ装備のPC経由で企業本体が内外に有り巡らしているネットワークに侵入される事だ。
 我が国とは比べものにならない程の予算&プロ&技で組織化したサイバー攻撃部門を整備している複数の国が我々を取り巻いている事を忘れてはならない。
 彼等にとっては我が国の産学官界のセキュリティには何の痛痒も感じていない筈だ。
 実際、防衛省の整備を手がけた大手 IT-企業のサーバーが侵入され、気がついたのが後々だった・・・なんてお粗末な事例がある程だ(*1)

だから:
 "ワーケーション" と言って、観光先とか保養先で "優雅に" タブレットPCで "どうでも良い書類" を作成するのは可能としても、プロに襲われたら機密等守られる訳が無い。

 西村大臣も菅官房長官もご自分でPCを自由自在にお使いになっていないからこそ、裏方のご苦労も知らないでノーテンキな事ばかり仰っている・・・としか感じ取れないのです。
 無智さ加減に嗤っちゃう始末でおりまする。

ついでに:
 以上の観点からも、テレワークをもってして東京一局集中が収まり、遠隔地居住が一気に進む・・・と言う考え方は甘く、効果は極めて限定的だと自分は考える。
 加えて、多くの現役世代にとっては教育環境、そして高齢になるにつれて今回のコロナ禍で明らかになった医療体制の充実度等々が実は重要な要素であり、自然環境や住居の広さ等々とどちらに比重を置くのか、悩ましい課題になってくる筈で、個々の人生哲学にも関わって来るのだ。
 選択はそう簡単な話では無い。

 自分でも少し飛躍している結論と想うが、結局、東京一局集中問題は地方分権の在り方そのものの課題でもあり、そしてそれは国が握る予算を地方にどれだけ解放するのかと関わり、そしてそれは中央省庁の権限縮小に直接につながるので実現困難・・・って考えるところでありまする。
 テレワークがどんなに進んでも、東京一局集中が一気に緩和される・・・なんて事はないでしょう。
 何なら賭けてもいい・・・いやいや、こんな事言ってはいけませぬ。
 何せ許されるのは "賭け麻雀" だけらしいから・・・
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(*1):20200211:”量子暗号” 開発企業へサイバー攻撃



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