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20210204:ワクチン開発の ”裏” 舞台 - ”ワクチン・レース” [雑感]

 Covid-19の攻撃を予防する "ワクチン" とか治療する "抗体薬" が求められる中で、米国におけるワクチン開発の表&裏舞台をあからさまに書き下した書籍が話題だ:
   "ワクチン・レース"
    原題:The Vaccine Race
    著作:メレディス・ワッドマン
    訳:佐藤由樹子(羊土社刊)

 ウイルスは細胞の中だけで "生存"(と言って良いのかどうか解らんが)するから、ワクチン製造には由緒正しい "綺麗" な細胞を必要とする。
 その細胞を巡る発見者/名誉を追い求める学者/独占を狙う製薬企業等の "暗闘" がドキュメンタリー・タッチで余りにもあからさまだ。
 有名な細胞に "WI-38" と命名されたものがあって( ← 勿論自分は何の事か解る筈も無いが・・・)、
  - これが "中絶胎児" の肺から採取された無垢のものであり、
  - 中絶女性への説明も同意も無かった "無断使用" であり、
  - 開発されたワクチンの効果が孤児や知的障害児等の "人体実験" で試された

等々、始めて知る事に驚きの連続だった。
 当然、倫理上の論点が指摘されてもいる。

 そこで想い出した。
 トランプ前大統領@米国が今回のCovid-19感染を受け、僅か数日の治療で現場復帰した時、倫理上の論点を抱えているともされ得る細胞由来の抗体薬が使用された(らしい)との報道があった。

 今回のコロナ禍の唯一の救いとなる可能性を持つワクチンや抗体薬にこんな裏舞台があるなんて、思いもよらなかった。 政治を含めてどの分野の世界もそうだろうが、医学界の世界もきれい事だけでは無い様だ。
 この書籍は、"サイエンス誌" のスタッフによる著作との事だが、"DNA二重らせん構造" を突き止めたワトソン&クリックの著作にも学者等の間の熾烈な競争があからさまに記されている事を想い出したりした。
 我が国の学者間にも似た様なお話はあるのだろうか・・・あるのかもしれませんねぇ。


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