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20211213:今になって解った?(誰のために鐘は鳴ったのか) [気晴らし事]

 誠に以てお恥ずかしい話です。
 "誰がために鐘は鳴る" ・・・ あのE.ヘミングウェイ原作(1940年)の映画版(制作:パラマウント。公開:1943年)が12月2日にNHKBSで放映された。
 2時間40分もの長尺もので、ワールドプレミア版。 画像もデジタル修復されているのか、とても見やすかった。 戦争のさなかにこれほどの映画を制作する米国の懐の深さ&広さを感ぜずにはいられない。

さて:
 原作については学生時代から繰り返し読んでいた。
 故・大久保康雄氏の名訳もあったが、原作英語版については1K単語で改訳した版を繰り返し読破したし、原作も手にした覚えがある。
 映画の方も何回も観ている。

が・・・:
 恥ずかしながら、スペイン内戦を縦軸に、米国の大学教授R.ジョーダン(映画版=G.ペック)が政府側に身方してゲリラ戦法でファシスト反乱軍と闘う中での切ない恋愛モノ(ヒロイン=マリア:映画版=I.バーグマン)を横軸とした様な "単純な感じ" でした受け取っていなかった。

が・・・:
 今回のは長尺もので、家で寛ぎながら観ている内に
   - いったい誰の為に鳴る鐘なのか
   - 主人公ヒーロー&ヒロインのためなのか
   - 負けと解っていながらにして反乱軍に挑むゲリラのためなのか
   ・・・

等々を考えさせられた。

 原作では冒頭に米欧識者にとっては著名人らしい聖職者の箴言の中で "その答え" が記されているのだが、西洋文化の歴史に精通していない自分には正直の所、判然としなかった。

が・・・:
 今回は最後の場面で主人公としてのヒーローが死を前にしてヒロインへ言い渡すシーンがあって、どういう訳か、それで初めて "個人と全人との関わり" を述べている事に想い当たった次第です。
 何回も観ていながらこの歳になって初めて気がついた事で、恥ずかしい限りでした。

 そう言えば和田アキ子さんが
   "あの鐘を鳴らすのはあなた"

って "答え" を歌っていましたよねぇ(作詞は故・阿久悠さんでした)・・・まぁ、深読み(過ぎ)ですが。

ついでに:
 スペイン内戦・・・って言えば映画 "カサブランカ"(1942年)。
 主人公リック(H.ボガード)がヒロイン(偶然にも I.バーグマン)への想いをさりげなく振る舞う最後の場面で気持ちが "すっと" するのだが、その彼の "前日譚" が何とっ!
   赤神 諒さん;"太陽の門"

だ(日経紙朝刊連載小説)。
 最初は何の話か・・・って気がしていたが、小気味良いテンポで話が進み、翌日の新聞が待ち遠しかった程だ。
 英訳版が出版されたら評判になるに違いない。

 年寄りの話は際限なく横飛びするので、ここらで終わります。
 m(_ _)m

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