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20230304:連載終了( ”ふりさけ見れば” ) [雑感]

 今は流行っているとは想えない新聞連載小説 ・・・ 500回を優に超える歴史モノが2月28日を以て終了した:
   安部龍太郎:"ふりさけ見れば"
   画:西 のぼる
   (日経紙朝刊文化紙面)

 自分は日本史にも中国史にも疎い浅学もいいとこだが、題名が "検討氏" では無く本物の "遣唐使" として唐に渡って帰国する事の無かった "阿倍仲麻呂" の詠んだ歌に因んでいる事程度は知っている。
 "吉備真備" をも主人公としたダブル・キャストで、"魏国史"、乃至は "魏略" の中の "倭国" についての記述を閲覧して、そこに記しているとされた "日本国の成り立ち" を確認するミステリアスな話(?)を主軸として、玄宗皇帝時代に起こった多くの事件を絡めている。
 史実と創作の混じり合いがどの様なのかは自分には知る由も無いが、こんなに長い連載物を最初から最後まで読み切ったのは "新吾十番勝負"(原作:川口松太郎)以来かも。
 十二分に楽しめました。
 惜しむらくは "安禄山の乱" 以降の話の進展が忙し過ぎて、史実を知らないからでしょうが、読むのに "息切れ" した事でしょうか。

ついでに:
 仲麻呂が唐王朝の中で立身出世し、歴代王朝秘史を修めた府を治める役職に登りつめた折、魏略第38巻(?)だったかを "盗み読み" したところ、邪馬台国や大和朝廷と想われる国情が記されていた・・・この物語のホット・スポットだったと想うが、実は・・・って "どんでん返し" があったりした往時の俊英等の活躍を描くのが作者の狙いだったのかも・・・デス。

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