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20230105:難問(好評シリーズ最終話) [ミステリ三昧]

 小説やドラマで人気を保ちつつシリーズ化されていても、いつかは "時代の流れ" って言う正体不明の奴に抗えずに置き去られる形で最終話となると、"その閉じ方" は原作者にしても脚本家にとっても難問に違い無い。

 そんな例を二つ。
 昨年末、永きにわたったTVミステリ・シリーズが最終話を迎えていた:
   牛尾刑事’終着駅シリーズ・・・①
   十津川警部’トラベル・ミステリー・シリーズ・・・②

 どちらもTV朝日版だが、その最終話はチコッと戴けない閉じ方だった・・・まぁ、意固地な後期高齢者の超個人的な感想に過ぎないけどサ。

①は:
 新宿西警察署を舞台とした森村誠一氏原作ものだが、必ずしも牛尾刑事が登場しない短編であってもTV版では脚本でシリーズものに仕上げている。 主役も複数の役者さんが演じてきているが、片岡鶴太郎氏ものが最終話を閉じた(自分は初代を演じた露口茂氏版が好みだったが・・・)。
 初期のドラマでは原作にほぼ忠実で、謎解き/トリック明かしが見物だったが、シリーズを重ね、主役が代替わりしながら年季が経つにつれて "人生深掘り感" が出てきて、ミステリー・ドラマにそれを求めない自分なんかは鼻白んでしまっていた。
 最終話では "愛と死" を深追い過ぎて面白みに欠けた・・・申し訳無いが、個人的にはそういう印象だった。 主役相方だった奥様役の岡江久美子さんが実社会でコロナ禍で旅立ったこともあっての事だろうが・・・不謹慎な言い方を許して戴ければなのだが、どうせ主役級の死を扱うのであれば "主任警部モース" シリーズ最終話の様なあり方で欲しかった・・・と想うのは自分だけかもしれない。

②は:
 鉄道ミステリ-の筆頭旗振り役であった故・西村京太郎氏の余りにも知られたシリーズで、これも複数の役者さんが十津川警部を演じている。
 TV朝日版は初代は故・三橋達也氏が、次いで高橋英樹さんが演じて今回の最終話となった。 TBS版では故・渡部恒彦氏が主役を演じていた・・・どちらも原作イメージとは違うが、高橋英樹氏版最終話ともなると原作との乖離が大きく、謎解きの面白さはどこに・・・って感じ受けているのです。
 まぁ、余りに長いとネタ切れ気味で、脚本担当がマンネリ化を嫌って "脱ミステリー" を意識し過ぎるせいかもしれない。

 同じミステリーもののTVドラマであっても、どうして "主任警部モース" とか、"ルイス警部" の様な人間関係を背景とした複雑な "謎解き" が我が国では長続きしないのか・・・考察すべき課題なのかもなぁ。
 "異論多数アリ" との我がワイフ殿コメントがありそうだけど・・・

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