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20210507:M.コリンズ氏逝く(宇宙飛行士) [故人を悼む]

 4月28日に逝去。 享年90歳。
 ジェミニ10号パイロットと言うよりも、人類初の月面着陸に成功したアポロ11号飛行士の一人として著名だ。
 月面に着陸したのは船長である故・N.アームストロング氏(2012年没。82歳)とE.オルドリン氏(91歳)の二人で、コリンズ氏はその間は司令船に残って月面撮影と着陸船イーグル号乗船2名の支援を続けた。
 全世界の注目が月面着陸宇宙飛行士2名に集まった為だろう、
   "世界で最も忘れられた宇宙飛行士"
とか
   "世界で最も孤独な宇宙飛行士"

と称されていた。

 これを想うと、自分はDNA二重らせん構造モデルを発表して(1953年)、ノーベル生理学・医学賞を受賞(1962年)したJ.ワトソン&F.クリック、及びM.ウイルキンスに取り残されたR.フランクリン氏を思い出さずにはいられない・・・と言っても彼女は1958年に僅か37歳の若さで旅立っているので受賞対象ではなかった訳だが。
 彼女はX-線結晶構造解析でDNAの立体構造を2,3,或いは4本の塩基鎖で成り立つ事を突き止めていながら論文の完成度を高めるために発表の機会を遅らせてしまった。
 学問の世界は厳しく、"一番乗り" だけが "勝ち名乗り" を上げる。 本来はワトソン&クリックよりも精緻なモデルを構築していながら、既に一般には忘れ去られているのだ。
 生前に抱いたに違い無い彼女の悔しさは・・・M.コリンズ氏の思いと重なるところがある・・・と想わずにはいられない(下衆の勘ぐりに過ぎません)。

 黙礼。

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