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20230626:石油タンカー運航を阻止して未来を取り戻すだとぉ? [雑感]

 スウェーデン南部の都市マルメと言えば、あの有名な世界的ベストセラーになった警察小説シリーズ( 原著作者=ペール・ヴァールー&マイ・シューヴァル共著:”刑事マルティン・ベック” )でもたびたび事件の舞台になった所だ(残念ながら訪ねた事はありませんが)。

 あの環境活動家として名をなしているグレタ嬢が同士と共にこの港に入港しようとする石油タンカーの運航を物理的に阻止したとして警察に逮捕されたとの報道(2023年6月20日付けエクスプレス紙@英国)だ。

 同嬢は
  3日連続でマルメ石油港の石油タンカーを阻止した。
  気候危機は人々にとって生死に関わる問題だ。
  私たちは化石燃料インフラを物理的に停止する事を選択した。
  私たちは未来を取り戻している。

と呟いているそうだ。

 どう考えようと勝手だが、この方は "LCA"( "ライフ・サイクル・アセスメント" )をご存じないか、理解出来ていない事を自ら表明している・・・としか、老生には想えない。
 タンカーを物理的に止めても気候変動は止まらない。 停泊させられたタンカーは、むしろ本来は使用しないで済んだ燃料を余計に使い込んでいた筈だし、それは余計な枯渇性資源消費量&二酸化炭素排出量をもたらすだけで、気候変動阻止の趣旨とは噛み合わない行動だ。
 民衆の力を掻き集めたいのであれば、民衆の心を掴み取る合理的行動が必要なのに、想いに任せたタンカー停止では同意する原動力になるとは到底想えない。

一歩引き下がって言うとすれば・・・:
 問題は現役世代や老生の様な世代の共感では無く、Z-世代がどう捉えているか・・・の方がポイントだ。
 つい最近の事だったと想うが、
   既に地球環境は "限界" に達している

と世界の学識者が集まって警告していたが、それを真摯に受け止めざるを得ないのはその影響をモロに被るZ-世代だろうから、彼等彼女等が社会の主役になる時代には何かが変わるかも知れない・・・僅かな "希望" だ。
 つまりは、Z-世代はグレタ嬢の様な感情の起伏で行動するのでは無く、LCAを正しく理解して合理的に行動してくれるだろう・・・と老生は期待するのだが、果たしてどうか。
 それ迄は気候変動が収まる事は無かろうし、それどころか悪化の一途を辿っているに違い無い・・・そう老生は考えている。
 残念です。

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