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20210728:”ミチクサ先生”(日経紙朝刊連載:作=伊集院静氏) [雑感]

 既にこのブログコーナーで投稿されてしまっている話題ですが、自分なりに。

 先週22日(木)に最終回を迎えた。
 夏目漱石の誕生から彼岸への旅立ち迄の生涯を追った話だ。
 途中、伊集院氏ご自身が病で倒れ、半年近くの休載を経ての完結となった(全404回)。

 文学の素養にも乏しい自分の事だ。 漱石作品は数える程しか読んでいないし、その経歴もあやふやで、知らないにほぼ等しい。

 我が国の小説の原型を創設する迄の
   -下町の風情に馴染んだ "江戸っ子" 時代
   -赴任した愛媛&熊本地区での "英語講師" 時代
   -文学事情調査の英国留学で体感した "がっかり感"

が "ミチクサ" だったのか。
 勿論自分には読み取れなかったが、明治と言う時代の流れの一端を今更ながら知らされた想いがしたのは事実だ。

 それでも、むしろ小説では漱石の死後、門下生であった寺田寅彦と芥川龍之介の二人が師を語り合う数回の下りが興味深かったし、挿絵で描かれた例の黒猫のかわいらしさに心惹かれた。

 というのも、寺田寅彦が文芸にも秀でた事は知っていたが、なんと言っても我が国の "物理学" を創設した一人で、その "物理学序説" は大学図書館でざっと眺めた事があったからだ(60年程も前の事だが・・・)。

 うろ覚えだが、名前の無かった黒ニャンの方はタイムワープを経て後の時代に紛れ込み、名前をつけられて活躍(?)・・・門下生が後日談を語っていたかと・・・

 新聞小説は読まない習慣だったが、この "ミチクサ先生" だけは次の回が待ち遠しかったデス。

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