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20191211:”ヘリウム” クライシス [雑感]

 宇宙に於いて水素に次いで存在量が多いガス体だが、超電導磁石を使う磁気共鳴装置とかリニア新幹線(磁気浮上式鉄道)等は液化ヘリウム無くして実現されないのが現状だ。

 産業用主産地が米国で、他にカタール等が産出するが、米国が輸出量を “絞って” いて世界各国でヘリウム価格の高騰/輸入量絶対不足が起こっており、研究開発機関等が翻弄されている:
   ”ヘリウム高騰 研究に支障 価格2倍で実験予算不足
     - 再利用模索も供給足りず
    (出自:日経紙2019年12月2日付け科学技術紙面)

 実は “ヘリウム・クライシス”( ← 勝手な “造語” です) は昨今に始まった事では無く、昔から “全量輸入の危うさ” が指摘されてきた。
 が、大学を始めとする研究開発機関では輸入に頼る他に為す術は無い状態が放置され、今や低温物理学の研究自体が脅かされていて、物性研@東大では100名以上の学生が学位論文すら書けなくなるとの指摘だ。

 これは科学全体の政策を担当する文科省、またその成果を産業発展に活かす政策担当の経済産業省の “危機意識の欠如” を如実に示す事に他ならない。
 記事では石油同様の “備蓄” を国として検討する必要性も指摘されている。

 賛成だ。
 “AI” と並んで近未来の基幹技術として “量子技術”、特に “量子コンピュータ” の実用化が期待されているが、極低温稼働を前提としたタイプの開発が進んでいて、これもヘリウム無くして実現は危うい現実をかんがえると、GAFAの様な超巨大 IT-企業に最早太刀打ちが出来ない我が国は、何処よりも先進的な “物づくり” で生き延びる他に術は無い筈で、ヘリウム確保は必須な筈だ。

 先ずは内閣府の優秀な官僚には “観桜会” 事件( ← 最近は “桜疑獄” と指摘する識者がいる様です)に忙殺される事無く、是非ともご自慢の “英知” を結集して戴きたい。

 尚、その際の検討資料等は電子ファイル&紙書類共々削除する事無く、後世の政治学者が内閣府官僚の “優秀さ” を検証する歴史的書類として “永久保存版公文書” 化しておいて戴きたい(誰でも解錠出来ない保護ファイルにすりゃぁ良いだけの話)。


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