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20200629:”Cop Hater”( ”警官嫌い” ) [雑感]

 今も続いている米国の人種差別反対デモは "歴史の浄化"( ← 海外紙) へと対象が拡大しているとの報道だ(転載:日経紙2020年6月17日)。
 黒人奴隷を使用していたとして特定の歴代大統領の像や奴隷制度擁護の立場をとったとして南北戦争時の南軍将軍像とかが倒壊されたり、撤去されたりしている。
 この動きは大西洋を越えて英国へ渡り、奴隷貿易で巨富を得た商人等の像が倒壊されたりしている。
 いずれも高校の西洋史教材辺りでお目にかかっていた人達だ。

が:
 多くの人の犠牲を経て確立された今日の "通念" で歴史を浄化する事の "是非" については、自分は正直解らない。
 "遠い海の先の出来事" の眼で観れば "行き過ぎ" の観無くも無い。

ところで:
 件の人種差別反対デモは、白人警官による黒人圧迫 "殺人"@ミネアポリス市が端緒だったが、白人警官への "反撥"/殺害された方の "追悼" がデモの主体だった当初の段階で、自分は直ぐさま
  エド・マクベイン:"警官嫌い"

を想い出した(このブログをご訪問戴いた殆どの方々からは "何とノーテンキなっ! 馬鹿もん!" とのお叱りを受けるでしょうが ・・・ (>_<) )。
 例の警察小説:"87分署シリーズ" 第一作(1956年)として余りにも有名だ(手持ち:ハヤカワ・ミステリ文庫・井上一夫訳編・1976年4月30日発行版)。
 ここでは架空の市( "アイソラ市" ← NY市を模している )が設定され、分署警官の人間模様が秀逸に描かれているのだが・・・

 1950年代は今よりも人種差別は遙かに生々しかった筈だが(;因みに、"公民権法" が成立したのは1964年=J.F.ケネディ大統領(当時)暗殺事件の翌年)、時代が変わり、犯罪の多様化/悪質化が進み、犯罪者が限り無く増え続けているとは言え、警官が容疑者の首を押さえ続けて死に至らしめる様な事が起こるとは・・・
 余りにも殺伐とした光景に身震いする程だ。
 加えて、つい最近の報道によれば、デモ側は "(白人主導)警察機構の改革" も主張している。
 マクベイン(2005年7月6日没。享年79歳)なら、こうなっちまったアメリカ&警察社会をどう描くのだろうか。
 見聞きする事無く彼岸へ旅立ってしまったのがかえって・・・とさえ想ってしまうのです。

ついでの蘊蓄:
 同じシリーズの第10編:"キングの身代金" が
   黒澤明監督:天国と地獄(東宝作品)
  (出演:三船敏郎&仲代達矢&黒沢組面々)
で、原作を上回るとも評価されております。




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