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20211101:白土三平さん逝く(劇画家) [故人を悼む]

 10月8日に逝去(訃報:26日)。 享年89歳。
 晩年には替わって作画されていた実弟・岡本鉄二さんが10月12日に逝去。 享年88歳。

 誰でもが代表作と指定する
   カムイ伝&外伝
だが、確かに代表的な作品であり、異論があろう筈も無い。

が・・・:
 自分だけの想いかも知れないが、漫画界/劇画界の表舞台へ躍進された結果、少年週刊誌読者層を随分と意識した "温和しい"、かつ "上品な" 作品だ。

 自分は、むしろ荒削りであっても貸本読者相手の
   忍者武芸帳・影丸伝
の方が好みだ。
 漫画と言うよりも、正に劇画と言うに相応しい。

 貸本・・・と言っても今は昔の話で、殆どのお若い方々はご経験もご存じもあるまい。
 一泊 "数円からせいぜい10円" 程度の "レンタル書" と言えばご理解されると想うが・・・

 王道を占める "トキワ荘派" とは違った直線タッチの絵柄は1960年頃ではとても新鮮で、専ら "下克上" と "階層/階級間闘争" を描く戦国時代を背景とした全く別立ての壮大な読み物だった。
 自分と同世代層には思想的に共感した人が多かった様だ。

 その意味で衝撃的でさえあったのだが、恐らくは同じ感じを受けられたのであろう、故・大島渚氏が原画に吹き替え音声で付けた "静止画像映画" を編纂して一般劇場で公開し、ヒットした事を覚えている(1967年)。 勿論、自分は封切りを鑑賞しておりましたとも。
 うろ覚えだが、いわゆる "学生運動" やっていた学生連も観ていたようだっけ。
 そんな事が想い出されます。 些か、感無量です。

 黙礼。

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