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20200508:公開データー無いので ”信頼性” は今一(感染動向@コロナ禍) [雑感]

 大方の予想通り、4日(月)に緊急事態宣言の延長が総理大臣から発表され、前後して専門家会議委員から背景解説もなされた。
 が、素人ながら疑問が残った。

”実効再生産数” にどれ程の信頼性があるのか:
 感染者が他人へ感染させる実効値( “Effective Reproductive Number” )の事で、感染拡大 “測度” とされる。
 我が国のそれが
   3月25日:2.04 ⇒ 4月10日:0.71

とあった。

これが正しいとした場合に意味するところは:
 我が国のコロナ禍は
   五輪パラリン2020東京大会 “延期” 決定:3月24日

の頃は流行拡大最中だった訳で、この事は何としても “隠しておきたかった” 舞台裏があったって事だ(素人でも読み取れる)。
 国も東京都も延期決定後からにわかに “対策々々” ・・・って言い始めたのがその証拠で、国民への感染蔓延よりも五輪パラリン大会中止決定の方を恐れていた事になる。

ところが:
 この実効数が正しいとすれば、”収束” に向かっている筈の4月7日に最初の緊急事態宣言が出されたって事は、この数値を算出した数理モデルによる予測とは裏腹に “医療現場の逼迫” が深刻で、しかも検査を絞っていた為に “全体像が把握出来ていない” が故のこれまた “政治判断” だった訳だ。

事実:
 宣言前に日本医師会や東京都医師会の会長が “医療機能の崩壊間際” を訴えていた。
 専門家会議委員の多くが厚生労働省&感染研の息がかかった疫学系専門家筋で固められていて、的外れの "クラスター潰し" に勢力を注いでいる事への医療現場を預かる会員等が反撥って言うか、危機感を抱いたものと自分は捉えている。
 始めっから臨床系専門家多数を委員に加えていればこんな歴史的な失敗は回避出来ただろうに
 昔から、医師会は自民党の強力な支持団体の一つで、発言力は極めて大きく、追い詰められた政権与党側に無視する選択肢は無かった訳だ。

そもそもが:
 実効再生算数を割り出した厚生労働省クラスター班担当の北大院教授は “理論モデル” と言われているが、実際の大元は一種の情報伝達数理モデルで、モデルに特徴的なパラメターを過去&現在の実測データーを説明出来る様に調整し、動向再現を確認してから近未来を予測する(遠い未来予測出来る精度は無い)。
 物理学で言うところの理論とはほど遠い実学的な統計モデルに過ぎず、モデルの “一意性(Uniqueness)”、即ち、”唯一の解” である訳ではとうていのところ無い

 その上、統計学的評価対象となり得る母集団だったのかさえ明らかにされていない事から、限られたPCR検査から導き出した実効再生産数にどれ程の信頼性が伴うのか、極め付きの疑問だらけと想わざるを得ない。

 可能な限りのPCR検査を拡げた韓国とか米欧の様な国々だったら信頼性の高い統計的評価が出来ただろうに・・って、実のところ北大院の先生も内心は悔やんでおられるのかも知れない・・・は “深読み” 過ぎか。

 厚生労働省&感染研がPCR検査実態を始め臨床データーを溜め込んでいる為に、我が国には多数いる筈の数理モデル解析に堪能な学識者が取り組む機会を奪っているのが残念だ・・・これを “Jの悲劇” と言わんで何と言うのか(*1)
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(*1):大分前の投稿です:
 20200419:”K” の悲劇(ケネディ家@USA)/”J” の悲劇


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